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『美しい星』あらすじ・ネタバレ(ラスト結末)と感想!

映画『美しい星』のネタバレです!

三島由紀夫のSF長編小説『美しい星』を『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八監督が大胆に脚色を加えて映画化!

平凡な家族が“宇宙人”に覚醒し、それぞれの使命に奮闘する姿をリリー・フランキーや亀梨和也、橋本愛らがコミカルに演じています。

今回はそんな映画『美しい星』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。


登場人物

大杉一家
・父親:重一郎(リリー・フランキー)。テレビ気象予報士。
・母親:伊余子(中嶋朋子)。マルチ商法にハマる専業主婦。
・長男:一雄(亀梨和也)。自転車便のメッセンジャー。
・長女:暁子(橋本愛)。美人だが友達のいない女子大生。

あらすじ・ストーリー

では、まずあらすじから。

報道番組「ニュース・エクスプレス」内で天気予報を担当する気象予報士の大杉重一郎(リリー・フランキー)

いつも予報をはずすため、司会者からも嫌味を言われますが、へらへらして受け流すキャラクターです。

そんな重一郎の誕生日を祝うため、大杉一家は高級イタリアンで食事をしますが、長男の一雄(亀梨和也)は遅れて到着し「いつまでこんなの続けるわけ?」とうんざり顔でした。

そして、雨が降っていたある冬の夜、重一郎は不倫相手のアシスタントを助手席に乗せて首都高を運転中、突然、眩しい光が目の前に広がり、そのまま意識を失ってしまいます。

翌朝、警察官に起こされた重一郎。

車は田んぼの真ん中にハマっており、助手席にいたはずのアシスタントの彼女もいませんでした。

そのことをUFOに詳しいADに話すとアブダクションではないかと分析。

重一郎はUFOに遭遇し、一時的に誘拐されたというのです。

体にアザなどがないか控室で確認しますが特に異常はありません。

重一郎はアシスタントの彼女にも昨夜の出来事について質問しますが彼女は全く覚えていませんでした。

しかし、その日の生放送において、自分のコーナー直前に放送された、火星探査のニュースになぜか心揺さぶられ、重一郎は本番中に号泣してしまいます。

長男の一雄は自転車便のバイトの途中に黒塗りの車に追突されそうになり、文句を言ってやろうと車を追いかけますが、その車に乗っていたのは大物政治家の鷹森紀一郎と秘書の
黒木克己(佐々木蔵之介)でした。

思いがけず鷹森に気に入られた一雄は名刺を渡されます。

プラネタリウムでのデート中、彼女にそのことを自慢する一雄。

映写が始まり、暗がりを利用して、一雄は彼女の体をまさぐりますが、こんな場所で行為をしたくない彼女は怒って出て行ってしまいます。

一雄は一人残されてしまいますが、どういうわけか水星がどんどん迫ってきて、一雄は押しつぶされそうになります。

後日、一雄は自転車便のバイトを辞め、黒木のもとで鷹森代議士の運転手をすることに。

鷹森らとエレベーターに乗っているとデジャヴのような現象が。
不思議な能力に戸惑う一雄でした…

長女の暁子(橋本愛)はミスコン出場を勧められるほどの美人顔。

しかし、外見だけで判断されることにいつも苛立ってていました。

大学からの帰り道、ストリートミュージシャンの演奏に思わず足を止める暁子。

彼の名前は竹宮薫。暁子は彼のCD「金星」を購入し、帰宅してから夢中でCDを聴きます。

「金星」のCDに感銘を受けた暁子は彼のいる金沢のライブハウスへ。

竹宮と再会した暁子は翌日食事をすることに。その席で竹宮は「自分は金星人だ」と言って
暁子を海辺に連れていきます。

沖に向かってUFOを呼び出す儀式をしていると突如、2つの発光体が出現。
暁子は自分も金星人だと確信します。

重一郎の妻・伊余子(中嶋朋子)は孤独な専業主婦。
食事もひとり寂しく食べる毎日です。

ある日のこと、友人から「美しい水」を勧められ、ついつい100ケース購入。

届いてみると、家の中が段ボールだらけに。

最初は小遣い稼ぎのつもりが次第にマルチ商法にハマっていきます…。

最近、胃の調子がよくない重一郎でしたが、リビングで胃薬と「美しい水」を飲んでいると、大きな地響きとともに家が激しく揺れ、「美しい水」の段ボールが崩れてきました。

そのとき、窓から不思議な光が!

伊余子以外の大杉家3人がそれぞれ宇宙人に覚醒した瞬間でした。

重一郎は火星人に…
一雄は水星人に…
暁子は金星人に…



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ラスト・結末(ネタバレ注意!)

以下、ネタバレ含みます。

この日を境に大杉家の面々はそれぞれの使命に燃えて活動を開始。

火星人として覚醒した重一郎は担当するお天気コーナーで、酸性雨や山火事の話など地球温暖化の深刻さについて熱弁。

「地球の皆さん!今すぐ行動を起こしてください! 太陽系連合からのメッセージです!」

と手を高く上げ、謎のポーズを。

重一郎は翌日以降もそれを続けますが、これが反響を呼び、一躍注目を浴びることに。

金星人として覚醒した暁子は出場を拒否していたミスコンに参加。「美の基準を正す」と宣言します。

しかし、つわりのような症状が表れ、伊余子とともに産婦人科へ。

検査の結果、妊娠していることが判明。
しかし、竹宮とはキスすらしておらず、処女のまま懐妊したと言い張る暁子でした。

伊余子から妊娠のことを聞かされた重一郎は竹宮と話をするため金沢へ。

竹宮は行方不明でしたが、詐欺師であることや「金星」というCDも自作ではないことが発覚。

水星人として覚醒した一雄はその後も順調に事務所で仕事をこなしますが、ある日、秘書の黒木が鷹森代議士を土下座させている場面を見てしまいます。

黒木は実は宇宙人で、裏で鷹森を操っていたのです。

一雄が水星人であることに気づいた黒木は地球の人間がいかに愚かであるかを力説。

「地球人が決められないことを我々が代わりに決めてやればいい」

一雄は地球を変えるため、政治家になる野望を抱くようになります。

大杉家で唯一宇宙人に覚醒しなかった伊余子は「美しい水」の勧誘活動で表彰。

「美しい水」の素晴らしさを世に広めることこそ自分の使命だと信じています。

しかし、それから数日後、「美しい水」がインチキ商品であることが発覚。
自分も騙されていたと知り、伊余子は茫然自失。

その間にも、重一郎の”太陽系連合からのメッセージ”は次第にエスカレート。

自分の担当ではないコーナーにまで乱入し、ゲストの鷹森代議士に暴言を吐いてしまいます。

事態は局内を巻き込む大騒動となり、重一郎は番組を降板することに。



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最後の放送で謝罪を強要されますが、どうしても自分の主張を曲げることができず、「地球温暖化のために立ち上がれ!」とまたしても暴走してしまいます。

スタジオ内でその様子を見ていた一雄と黒木は重一郎に自分の主張をぶつけます。

「地球という星に救う価値はありますか?」と問いかける黒木に対して

「あるに決まってるじゃないか!だってこんなに美しい星なんだから」と反論する重一郎。

2人の議論は平行線のまま…。

重一郎は証拠を見せると言って、テレビ局の屋上へと走り出しました。

屋上で必死に火星からUFOを呼ぶ重一郎ですがUFOは一向に現れません。

その時、雷鳴とともに屋上の照明が壊れ、同時に重一郎も吐血して意識を失います。

黒木の手には謎のスイッチが握られており、黒木はそのスイッチを押しながらひと言、

「カウントダウンが始まった…」

病院で目を覚ました重一郎でしたが、医師からはステージ4の末期の胃がんで余命1カ月だと宣告されます。

そして、一雄も鷹森事務所をクビに。

交替で重一郎の病室に行く大杉家の3人ですが、最後にUFOが見たいという重一郎の願いを叶えようと、伊余子は一雄と暁子にも協力してもらい、病院から重一郎を連れ出すことを計画します。

難色を示す2人に伊余子は「あなたたち宇宙人なんでしょ」と一言。

その言葉に突き動かされ、一雄と暁子は重一郎を病院から連れ出します。

車窓から見える賑やかな東京の街並みに「やっぱり綺麗だな」と言う重一郎でした。

そして車は一路、福島へ。
目指すは原発近くの立入禁止区域内でした。

封鎖された道路を突破。
追ってくるパトカーをまいて、山中に車を停めた4人は森の中を歩いて山頂を目指します。

まともに歩けない重一郎の目の前に原発事故で野放しにされた牛がやってきました。

その牛の背中に重一郎を乗せて山頂を目指す大杉家の3人。

先に山頂にのぼった暁子が大声で「来てる!お父さん、来てるよ!」

4人の前に眩しい光が。

重一郎は最後の力をふりしぼり、光の方に走っていきます。

すると、いつの間にか白い部屋の中に。
どうやらUFOの中に居るようです。

UFOの窓に駆け寄る重一郎。

UFO内の音声が問いかけます。
「何か忘れ物ですか?」

窓から覗くと地上では大杉家の4人がこちらを眺めています。

そして、段々と距離が離れていき、目の前には青い地球が…。

End



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感想・まとめ

ネタバレを含みつつあらすじなどについてご紹介しましたが、この映画をひと言で言うならばぶっとんでる映画、ですかね。

映画の宣伝ポスターには”五感が覚醒する”と書かれているけれど、中盤、大杉家が宇宙人に覚醒するシーンはまさに五感を刺激する音楽と編集のマジック。

クラクラしました。

そんな大杉家を演じたキャストの4人、そして人間に扮した宇宙人役の佐々木蔵之介、彼らの演技は文句なく素晴らしく(個人的には橋本愛と中嶋朋子に100点!)突拍子もないストーリーに妙なリアリティを与えていました。

それでいて三島由紀夫的な文学的余白も残し、観終わってから行間を読み解くような楽しさも。

例えば、黒木が押したボタンはいったい?
ラストシーンで何が起こったの?

など、観た者同士で語り合いたくなる内容に。
カルトな作品として語り継がれること間違いなし。

きっと誰もが自分の使命をもって、この世に生まれてきたと思いますが、声に出して実行しづらい社会の空気感。

大杉家の4人のように自分の使命に向かって突き進む姿からはきっと勇気がもらえるはず。

ぶっとんでる映画でしたけれどね(笑)