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『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』映画のネタバレ(あらすじ・結末)と感想!

映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のネタバレです!

フィギュアスケート史上最大のスキャンダルと言われている「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の真実を描いた『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』。

第90回アカデミー賞では、母親役を演じたアリソン・ジャネィが助演女優賞を獲得しました。

世界中から愛され、一瞬にして世界中から嫌われたトーニャ・ハーディング。彼女がどんな人生を歩んできたのか? そして襲撃事件の裏で何があったのか?

今回はそんな映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。


『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のあらすじ

テレビ記者からのインタビューを受けるトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)、母親のラヴォナ(アリソン・ジャネイ)、元夫のジェフ(セバスチャン・スタン)。

まず最初に語られたのは、トーニャが4歳の頃の話でした…。

40年前のアメリカ、ポートランド。トーニャは母親に連れられてスケートリンクへ。

トーニャにフィギュアスケートを習わせるため、ラヴォナは女性コーチのダイアンに指導を依頼しますが、幼すぎることを理由に断られてしまいます。

それでも引き下がらず、トーニャの滑りを見せて、指導の話をとりつけました。

すると半年後には頭角を現し、トーニャは最年少で大会に優勝。

厳しい家計をやりくりしてスケートを習わせているラヴォナは、練習時間を無駄にすることなど一切許さず、途中でトイレに行くことも禁じていたため、トーニャはリンクの上で失禁してしまうことも。毛皮の衣装も買ってもらえず、自らウサギを狩猟して作るほどでした。

トーニャは、ラヴォナの4人目の夫との間に生まれた子供でしたが、大好きだった父親はトーニャをひとり残して離婚。

15歳になったトーニャは、スケートに専念するため高校を中退。その頃に知り合ったジェフと交際を始めますが、ラヴォナは2人の交際に反対でした。

ラヴォナの予感は的中。ジェフはトーニャに暴力をふるうように。

実家でもラヴォナとの喧嘩が絶えず、投げられたナイフが右腕に刺さったのをキッカケにトーニャは家を飛び出し、ジェフとの同棲に踏み切ります。

1986年。トーニャは、大会で高得点が出ないことに不満を抱いていました。「なぜ正当に評価してくれないの?」と審査員らに抗議しますが、返ってきたのは「フィギュアスケートには芸術性も大事。あなたは自分を過大評価しすぎ」という言葉でした。

試合の時だけでも別人になるようダイアンは説得しますが、納得がいかないトーニャはダイアンにスケート靴を投げつけてクビにしてしまいます。

その後、トーニャはジェフと結婚しますが、ラヴォナは祝福するどころか「バカと結婚するなんて言葉も出ない」と言い放ちました。

1991年、トーニャは全米選手権でトリプルアクセルを成功させ初優勝を果たし、世界選手権への切符を手に入れます。

その試合の直前、トーニャに野次を飛ばす男がいましたが、怒ったほうが力を発揮できることを知っているラヴォナが金で雇った人物でした。

トーニャは優勝の時のことを「人生で一番うれしかった出来事」とインタビューで答えています。

一躍スター選手となったトーニャは、高飛車な態度をとるようになり、夫のジェフを邪魔者扱い。それを受けてジェフのDVもエスカレート。

トーニャは家から逃げ出し、ジェフにも接近禁止命令が出されますが、しつこい謝罪にほだされてしまい、再び一緒に暮らすことに。

1992年のアルベールビルオリンピックで、トーニャはトリプルアクセルに失敗。メダルには届かず4位に終わります。失敗の原因は体重の増加でした。

いっぽう、ライバルのナンシー・ケリガンは銅メダルを獲得しました。

オリンピックの後、ジェフのDVはますますエスカレート。銃を発砲されてケガを負い、トーニャは離婚に踏み切ります。

オリンピック4位の選手にスポンサーがつくはずもなく、トーニャは生活のためにウェイトレスとして働きはじめました。

するとそこへ元コーチのダイアンが訪ねてきて「2年後の冬季五輪を目指そう」と提案。トーニャの戦いがふたたび始まります。

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『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のラスト・結末(ネタバレ注意!)

以下、ネタバレ含みます。

ダイアンの厳しい指導にも耐え、完璧な状態で大会に臨みますが、審査員の評点はあいかわらず低く、理由が知りたいトーニャは審査員に尋ねました。

すると返ってきた言葉は、「あなたはアメリカ代表のイメージとは違う。国民が求めている家族像ではない」というものでした…。

この言葉を聞いて、トーニャは家族と向き合うことに。しばらくぶりにラヴォナの元を訪ねますが、返ってくるのは辛辣な言葉ばかりで、和解には至りませんでした。

元夫のジェフとは、大会までの3週間だけ一緒に暮らし、夫婦のふりをすることに。

ところが試合前日、トーニャに殺害予告が届きます。事態を深刻に受け止めたトーニャは出場を棄権してしまいます。

トーニャの最大のライバルであるケリガンにも同じ方法で心理的ダメージを与えられないか?と考えたジェフは、友人のショーンにも協力してもらい作戦を計画。

ところが、ショーンが勝手に計画を変更してしまいます。

ケリガンの練習場所についてジェフから聞かれたトーニャは、理由も分からぬまま電話で本人から練習場所を教えてもらい、それをメモに書き記してしまいますが、そのメモが後に証拠に…。

ジェフはそのメモをショーンに渡してしまいますが、ショーンが送ったのは脅迫状ではなく2人組の暴漢でした。

19994年1月6日。リルハンメルオリンピックの選考会となる全米選手権の会場で、練習を終えたケリガンがすれ違いざまに金属棒で膝を殴打される事件が発生。

そのニュースはテレビで大々的に報じられ、それを見ていたトーニャとジェフも驚きを隠せませんでした。

翌日、トーニャとジェフはFBIの捜査官から事情聴取を受けますが、事件への関与は否定。ケリガンは欠場した全米選手権ではトーニャが優勝をします。

それから2週間後、実行犯であるショーンと暴漢2人、そしてジェフが逮捕されました。ところが、トーニャも襲撃計画に関与していたとジェフが証言し、トーニャにも疑惑の目が。

全米スケート協会とオリンピック委員会はオリンピック出場権の剥奪に動き出しますが、トーニャは告訴を起こして出場権を守ります。

騒動を鎮静化させるために記者会見を開きますが、疑惑の目が向いたままオリンピックを迎えることになってしまいました。

控室の鏡の前でメイクをするトーニャ。泣きながら必死で笑顔を作ります。ところがフリー演技の直前、靴紐に問題が発生。制限時間内にリンクに現れないと失格になってしまう中、慌てて10秒前に登場。

最悪の状況の中、演技が始まってしまいますが、最初のトリプルルッツが失敗した直後、突然泣き出して演技を中断してしまいます。そして、審査員席に右足を乗せて「靴紐が切れた」と訴えました。

審議の結果、再挑戦が認められましたが、結果は8位に。いっぽうのケリガンは総合で2位に入賞、銀メダルを獲得しました。

その後、トーニャには18カ月の執行猶予と罰金10万ドル、500時間の奉仕活動が言い渡され、さらにフィギュア界からの永久追放処分が下されます。

「私は教育を受けてこなかった。スケートしか知らない私からスケートを奪い取るのは終身刑と一緒」と泣きながら抗議しますが、判決が覆ることはありませんでした。

2003年、生活費と世間からの注目を集めるため、トーニャはプロボクシングの道へ。対戦相手に殴られて宙を舞う姿と、トリプルアクセルで宙を舞っていた頃の姿が交互に映ります…。

映画のラストで登場人物たちのその後が。

トーニャには7歳の息子がおり、造園業に従事。母親のラヴォナとは音信不通。元夫のジェフは、名前を変えて別の女性と結婚。

End

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『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の感想・まとめ

ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しましたが、1994年に起きた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。当時はワイドショーでも大々的に取り上げられていましたが、

悪者というイメージしかなかったトーニャ・ハーディングという女性が、これまでどんな人生を歩んできたのか、どれだけの偉業を達成した人物だったのか、が優しい視点で描かれていて、観終わったあと、トーニャ・ハーディングに対するイメージが少し変わりました。

その最大の要因は、トーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーの完璧な役作りにもあると思います。

タバコを吸いながらふてぶてしい態度でインタビューに答える40代から一転、氷上で華麗に滑りトリプルアクセルを決める輝かしい選手時代をも見事に演じ分け、トーニャの波乱万丈な半生を、まさしく体当たりで再現。

個人的には、マーゴット・ロビーにアカデミー主演女優賞をあげたいくらいの完成度でした。

そのいっぽうで、アカデミー助演女優賞を獲ったアリソン・ジャネイの鬼母っぷりも圧巻で、トーニャという女性がどうしてこんな性格になってしまったのか納得でした。

世の中の人はスターが転落していくのを見るのが好きですが、スターにもその後の人生があるわけで、地獄を味わった彼女の言葉(インタビューの内容)には同情してしまう部分もありました。

ボクシングの試合で対戦相手に殴られて宙を舞う姿と、トリプルアクセルで宙を舞っていた頃の姿とが交互に映り、ひとりの女性の栄光と転落をひとつのシーンとして見せるラストの演出も素晴らしかったです。