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アニメ映画「海獣の子供」のあらすじから結末までネタバレ・感想!凄まじい映像美に感動

五十嵐大介さんによる漫画『海獣の子供』。繊細な画による圧倒的な自然の描写はもはや映像化不可能かとも思われた作品でしたが、ついにアニメ映画化が実現されました。

映画『海獣の子供』は、制作を『鉄コン筋クリート』でも有名な精鋭プロダクション・STUDIO4°Cが、そして主題歌を米津玄師さんが担当することでも話題となっています。


引用:https://www.toho.co.jp/movie/ods/cots_movie.html

早速観てきましたが、率直にいって映画『海獣の子供』は、圧倒的な映像により描写される「自然」が凄まじい勢いで眼前に迫ってくる、そんな作品でした。

本記事では、映画『海獣の子供』のあらすじネタバレと、実際に鑑賞した感想を紹介したいと思います。あらすじについては結末までの完全ネタバレで紹介するので、未見の方は注意してください。

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映画『海獣の子供』あらすじネタバレ 〜導入部〜

海との出逢い

中学生の少女、安海琉花(あづみるか)。夏休み初日を迎えた彼女は、ソフトボール部の練習で張り切っていました。

しかし練習中、チームメイトに足を引っ掛けられた腹いせに、顔面に肘鉄を食らわしてしまいます。このことが問題となり、顧問から呼び出される琉花。

言葉で自分の想いを伝えることができず、押し黙ってしまう琉花に対し、顧問は「謝る気がないなら部活に来なくていい」と告げます。

日頃から母親ともうまく向き合えずにいるため、家に帰りづらい琉花は、別居中の父が働いている水族館へ向かいます。その水族館は、子供の頃、父と母が連れてきてくれた思い出の場所でした。

琉花はそこで、水槽の中を魚とともに泳ぎ回る少年・海と出会います。


引用:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/37579/

父によると、彼は海の中でジュゴンに育てられた少年で、兄である「空」とともにフィリピンで発見された、そして研究のために水族館で預かることになった、とのことでした。

まるで水中を飛んでいるかのような海に見惚れる琉花は、この夏、思いもよらない冒険をすることになります。

「私の長い長い、長い夏休みが始まるーーー」

隕石の落下と、空との出逢い

次の日、学校へ向かったものの、やはりチームメイトに謝る気になれず、1人教室に佇む琉花。そこに突然、琉花の学校のことなど何も知らないはずの海が現れます。

どうやら海は琉花を探していた様子。海に「人魂(ひとだま)が来るから一緒に見にいこう」と誘われ、琉花は海と一緒に浜辺に向かうことに。

辺りが暗くなった頃、浜辺で待つ2人の頭上を、とてつもない速さで一直線に飛んでいく光ーーー。

すごいものを見たと感動する琉花が、なぜ人魂が来るとわかったのかと海に尋ねると、海は「人魂が見つけてほしいって言ったから」と答えます。

海から「みんな見つけてほしくて光っているんだ」と教わる琉花は、昼間、海が1人でいた自分を見つけてくれて嬉しかったことを思い出します。

実はこの日、2人の頭上を通過したのは、隕石でした。この前後から、海で不思議なことが立て続けに起こっていくことになります。

その後、琉花は海の兄・空とも実際に対面します。


引用:https://mantan-web.jp/article/20190606dog00m200062000c.html

天真爛漫な海と異なり、空は何かを見透かしたような眼差しを持つ少年で、初対面の琉花に対して「君はつまらない、予想通りにしか動かない」と言い放ちます。

そんな空の態度に憤りながらも、琉花は海・空の2人と交流を深めていくことになっていきます。

映画『海獣の子供』あらすじネタバレ 〜中盤〜

「海のお祭り」

ある日、琉花は水族館で海洋学者のジムに出会います。琉花が、ジムがスピーカーで聞いていたのはなんの音なのか尋ねると、クジラが唄う歌(ソング)だということでした。

「言葉を使っていて、思うことの半分も伝えられていない人間と異なり、クジラは見たもの・聞いたもの・自分の感情そのままを、互いに伝えあっているのかもしれない」というジムの言葉が、琉花の心に深く刺さるのでした。

そんな折、琉花の母・カナコが水族館にやってきます。

母と顔を合わせたくない琉花は、海・空とともに水族館が所有する船に逃げ込みました。すると、空が「やり方は知らないから、適当にやっただけ」と言いながら船を運転し始めてしまいます。

このままクジラを見にいこうとするものの、港から遠く離れた場所で一切動かなくなってしまう船。そんな時、水中に何かがいることに気づき、海へと飛び込む海と空。

琉花も船につないだロープにつかまって恐々と海に潜ると、そこにいたのはジンベイザメの群れ。そしてその中に、黄色に光り輝く一頭がいました。


引用:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/37579/

海の説明によると、誕生祭という「海のお祭り」があり、最近話題になっているクジラの歌はその祭りの予兆。そして、クジラは祭りのゲストを探しているということでした。

一方、水中に何かきらめくものを見つけた空は、すごい勢いでその光を追っていってしまいます。

琉花と海は、たまたま近くを通りかかった船に発見され、陸に戻りますが、空はそのまま行方知れずとなってしまいました。

家にいて母に小言を言われることにうんざりした琉花は、台風が迫る中、海を探して浜辺に向かいます。

空と離れ離れになって元気がなかった海でしたが、琉花に会うと「台風が連れてきた波が、空の居場所を教えてくれた」と言い出します。

その頃、琉花の行方を心配する父と母の思いはつゆ知らず、琉花は海と一緒に空のもとへ向かうことにします。

クジラの歌に関わる勢力

この頃、クジラの歌について解明することで、海洋調査の利権を我が物にしようとする勢力がありました。彼らは、そのために海と空を利用しようとしていたのです。

一方、海洋学者のジムは、彼らの要望に答えるふりをしつつ、海と空をなんとか長生きさせる方法を模索していました。

この時、ジムの助手のアングラートが既に空を発見し、行動をともにしていました。ジムは、伝え聞く空の様子から、海と空にもう時間が残されていないのではないかと心配します。

空の消失

空と無事に再会する琉花と海。空は、ジムの助手アングラートと一緒にいました。

浜辺でともに過ごす4人。夕食の席で、空は「宇宙が人間に似ている」と言い始めます。空いわく、人間の記憶は断片ばかりで、その断片がまとまることで記憶が形作られる。その様子は星の誕生にそっくりだ、ということでした。

夜中、琉花が目を覚ますと、空が布団からいなくなっていました。一方、寝ている海の熱を出していることに気づく琉花。

水で冷やしたタオルを海の額にあてながら、琉花は自分が母に看病してもらった幼い頃を思い出します。

その後、琉花が浜辺に向かうと、そこには空がいました。

空に手を引かれ、海の中へ潜る琉花。海には夜光虫が溢れ、青く光輝いていました。


引用:https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000YURN7

浜辺に戻った後、「光るのは見つけて欲しいからだって海くんに教わった。でも、なんだか光を見ると寂しい。消えちゃうからかな?」と言う琉花に、急に口付ける空。口移しで何か固いものを渡します。

とっさのことに驚いて、渡されたものをそのまま飲み込んでしまう琉花。直後、空の体が光り出します。

空「時間切れだ」「もし海にその隕石が必要になったら、きみの腹をさいて渡してやって」

そう琉花に伝えた空は、海の中へザブザブと進んでいきます。

そして、一直線に飛ぶ光と、耳をつんざくように鳴り響く音。その瞬間、空は人魂になって消えるのでした。

映画『海獣の子供』あらすじネタバレ 〜結末〜

「海の祭り」の始まり

海は、空が消えて以降、人間の言葉を喋らなくなっていました。

数日後、神社で開かれている祭りの雑踏の中を歩く琉花は、海と再会。その瞬間、ザトウクジラが沖に現れ、「海の祭り」が始まります。

琉花と海は、海の何でも屋・デデの操縦する船で、ザトウクジラの方へ向かうことに。そしてクジラにかなり近づいた頃、琉花は無意識に海に飛び込んでしまいました。

琉花は「あれ、なんで飛び込んじゃったんだろう」と自問しつつも、空から渡された隕石に導かれるままに進み、ザトウクジラに食べられてしまいます。


引用:https://www.cinematoday.jp/news/N0108554

クジラの体内に入った琉花が、どこからか聞こえてきた海の「琉花、ソングが来る」という声を聞いた瞬間、クジラが歌い出し、その音が琉花の体内の隕石のかけらと共鳴し始めます。

デデ「海の全てが、移動を始めたーーー」

クジラの歌と隕石の共鳴音をきっかけに、海の生物たちが一斉にクジラの元へ移動を始めたのでした。

一方その頃、琉花の父と母にも変化が訪れていました。気持ちをうまく伝えられない不器用さを、お互いに受け入れようとする2人は、ジムとともに、琉花を探しに海へ向かいます。

祭りの結末

クジラの体内にいる琉花に、今度は消えたはずの空の声が聞こえます。

空「隕石が目覚めた。琉花、君の役割はここで終わりだ」

琉花の隕石のかけらを中心に、光が収束していき、そして一気に拡散。舞い飛ぶ火花、星の誕生、生命の誕生。

琉花「私が、宇宙ーーー?」

まるで琉花が宇宙であり、宇宙が琉花であるかのようでした。同時に、母の子守唄が聞こえ、「お母さんが、私の中にある」とも自覚する琉花。

そして赤く燃えさかる琉花のもとに、黄色く光りかがやく海が現れます。

海は、琉花の体内にある隕石を取りだし、食べようとしました。一度はそれを止めようとする琉花でしたが、隕石が海の手を離れると、海が赤ん坊のようになってしまいます。

その様子を見た琉花は、「あれ(隕石のかけら)が海くんの光」だと気づきます。

かつての「見つけてほしいから光るんだよ」という海の言葉、そして海に見つけてもらえて嬉しかった自分を思い出す琉花。

隕石のかけらを追いかけ、掴み取り、海に食べさせる琉花。瞬間、2人を覆っていた空間が消えてなくなり、2人ははるか上空から海に向かって落ちていきます。

海中に落下後。少年・海は、広い海へと溶けていき、やがて宇宙へとつながっていきました。

水面に漂う琉花は、父と母に発見、救助されます。

祭りが終わりーーー。
制服を着て出かけた琉花は、港でデデと再会します。


引用:https://ttcg.jp/human_shibuya/movie/0562700.html

デデ「私も、あんたくらいに会ったんだ。海から来た美しい少年に。」

琉花はデデから、命がどこから来てどこへいくのか、世界はいつも私たちに語りかけている、と教えられます。

琉花「私、何にも知らなくて。ただもう一度会いたくて。私なんかじゃ…」
デデ「あんたでいいんだよ、信じておやり。空と海を、そして自分自身を」

デデと別れ、学校に向かう琉花は少しずつ走り出します。そんな琉花の前に、転がってくるボールが一つ。

琉花がボールを拾うと、その先には、夏休み初日に琉花が怪我をさせてしまったチームメイトが。彼女は琉花の方をじっと見ていました。

「そこにも、空と海があったーーー」

青く広がる空と海を背景に、琉花はチームメイトに向かってボールを投げるのでした。

映画『海獣の子供』の感想

映画『海獣の子供』の感想として、やはり一番に挙げられるのは、映像表現の凄まじさでしょう。

圧倒的な生命力を放つ海の表現。そして、その画を通して示される哲学的なテーマ。

作中のデデのセリフに「思い上がった人間」というのがあり、実際に海や空を利己的な目的に使おうとする人間が登場します。


引用:https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000YURN7

しかし、そんなちっぽけな人知など、本来自然には到底及ばないこと。自然への畏敬の念、自然が持つ神秘、命の根源。そういったものを、映画『海獣の子供』は圧倒的な映像と音楽により描き出します。

そしてそういった圧倒的な「自然」と並行して、琉花や、琉花の家族の「うまく気持ちを伝えられない不器用さ」を巡るストーリーが描かれます。

つまるところ人間も自然の一部であり、今目の前にいる人、その命に対して敬意を持つこと。作中のジムの言葉のように「言葉では気持ちの半分も伝わらない」としても、伝えようと努力することの価値。そういったものが示されているように思いました。

それもこれも、映像による表現があってこその物語。ぜひ映画館の大きいスクリーン、かつなるべく音響のいい環境で見てほしい一作です。

まとめ

以上、映画『海獣の子供』のあらすじを結末までネタバレで紹介しました。

五十嵐大介さんによる原作も、繊細な筆致やその哲学的なテーマが読者を魅了してきた作品ですが、映画『海獣の子供』は映像や音楽、キャストの熱演により、原作が持つ魅力を見事に映像化した作品となっています。

観た人に、否応なく「命の価値」について考えさせる作品として、ぜひ映画館で見てほしいおすすめの一本です。

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原作版『海獣の子供』についてや、米津玄師さんによる主題歌、制作を担当したSTUDIO4°Cについてなど、映画『海獣の子供』の基本情報は下記の記事にまとめています(ネタバレなし)。こちらもぜひ参考にしてみてください。

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