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『彼らが本気で編むときは、』あらすじ内容・ネタバレ(結末)を紹介!

生田斗真さん主演の映画『彼らが本気で編むときは、』のネタバレです!

『かもめ食堂』などで知られる荻上直子監督の最新作『彼らが本気で編むときは、

生田斗真さんがトランスジェンダーという難役に挑んだことでも注目の作品。

荻上作品のゆるふわな世界観は残しつつ、LGBTや育児放棄といった問題にも真正面から向き合った意欲作です。

今回はそんな映画『彼らが本気で編むときは、』の詳しい内容・あらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。


あらすじ・ストーリー内容

 

では、まずあらすじから。

小学5年生のトモ(柿原りんか)はシングルマザーのヒロミ(ミムラ)との2人暮らし。母親らしいことは一切しないヒロミ、部屋は散らかり放題で帰宅はいつも深夜か朝帰りでした。

トモはいつも一人寂しくコンビニのおにぎりで夕飯を済ませ、愛着のあるタオルを握りながら眠りにつきます。

ある日、トモが学校から帰宅するとテーブルの上に現金と置手紙が。

またか…

ミヒロは仕事を辞め、男と消えたのです。母の無責任な行動に肩を落とすトモでした。その足で叔父のマキオ(桐谷健太)が勤める書店を訪ねます。

事情を知ったマキオはトモを連れて、自分の家に向かいますが、その道すがら、恋人と同棲中であること、そして恋人がトランスジェンダーであることを説明。

部屋に入るとトモを出迎えてくれたのは女装姿のリンコ(生田斗真)でした。生まれて初めて見るトランスジェンダーにトモは戸惑いを隠せません。

部屋の雰囲気も以前とは違うし、自分が出したゲームの記録も更新されている。部屋のあちこちにリンコの痕跡が。

最初は緊張して、リンコと距離をとっていたトモもリンコが作るおいしい料理や団欒の時間に初めて味わう幸せを感じていました。リンコが布団を敷いているとトモの目はリンコの膨らんだ胸元へ。

性別適合手術は終わっているけれど、戸籍はまだ男のままだと話すリンコ。

シリコンが入った胸を触らせようとしますが、トモは怖がって拒みます。

翌日、トモは学校を休んで自宅まで荷物を取りに戻ります。朝起きると2人はすでに出勤しており、テーブルには朝食とお弁当が用意。そして部屋の隅には謎の毛糸の編み物が。

これは何だろう?ちょっと気になります…

お昼になり、公園でお弁当の箱を開けるとそこには可愛いらしいキャラ弁が。食べてしまうのが勿体なくて、いつまでもキャラ弁を眺めるトモでした。

自宅に着くと玄関先に同級生のカイが座っていました。カイはクラスのいじめられっ子で
男子からは「女みたい」とバカにされています。低学年の頃は一緒に遊んでいたトモも
カイとは距離を置くようになっていました。心配して来てくれたカイにトモは冷たい態度をとってしまいます。

その晩、トモは腹痛に苦しんでいました。傷んだ弁当を食べたのが原因でした。

自分のキャラ弁を捨てずに食べてくれた、トモのことが可愛くて抱きしめたくなる
リンコでした。

トモ、リンコ、マキオの同居生活はこの後どうなっていくのでしょう?

ラスト・結末(ネタバレ注意!)

以下、ネタバレ含みます。

学校の図書室で「体と性」という本を見つけ、トランスジェンダーについて調べるトモ。そこへカイがやってきて「上級生の大野くんが好きなんだ」と告白。トモは思わず「キモい」と言ってしまいます。

トモが学校から帰ると、リンコの母・フミコ(田中美佐子)が一人の留守番するトモを訪ねてきました。食事をしながらトモにリンコの過去の話を聞かせるフミコ。

リンコが中2だった頃、「オッパイが欲しい」と相談され、フミコはブラジャーと毛糸で編んだニセ乳をプレゼントしたという。その時から息子を守ると心に誓い、「リンコを傷つけたら承知しないわよ!」とトモにも警告するフミコでした。

老人施設にいるマキオの母(トモの祖母・りりィ)の面会に行ったマキオとトモ。リンコはそこで介護士として働いています。

面会後、施設の中庭で2人のなれそめについて話すマキオ。

リンコが男だと知って最初は戸惑ったけれど、好きになったら男でも女でもどうでもいい
とマキオの気持ちに迷いはありません。休憩中のリンコも2人に合流し、トモにコンビニのおにぎりを手渡しますがおにぎりを食べたトモは吐いてしまいます。

実はコンビニおにぎりが嫌いだったのです。

「この子はコンビニのおにぎりさえあげてれば大丈夫」という母親の言葉を思い出し、うなされるトモ。

それを見たリンコは「まだ赤ちゃんだね」と言ってトモをやさしく抱きしめました。

リンコのおっぱいを触ってみたいとトモが言ったので触らせてあげるリンコ。リンコのおっぱいは少し硬めでした。

その日以来、2人の距離はぐっと縮まります。3人の不思議な共同生活はトモにもリンコにも幸せな時間でした。

ある日のこと、リンコとスーパーで買い物をしていたトモはカイの母親(小池栄子)に声をかけられます。「変な人と一緒にいないほうがいいよ」その言葉に激怒したトモは食器用洗剤をぶちまけ警察沙汰に。

騒ぎの理由を話そうとしないトモでしたが、自分のことが原因だと察したリンコは何を言われても飲み込んで我慢して、それでもダメなら編み物でチャラにする。と自分なりの心を落ち着かせ方を編み物をしながらトモに教えるリンコ。

リンコが編んでいる棒状の物体は切除した自分の男性器を模した物でした。それを煩悩と同じ数の108個作ったら、全部燃やして供養し、戸籍を女性にする。

リンコはそんな計画を立てていました。

トモはリンコから編み方を教わり「ボンノウ」作りを手伝い始めます。その夜、リンコはマキオに相談します。

ヒロミが戻らなかったらマキオと結婚してトモを養子にしたい。マキオはリンコの気持ちを受け止め、強く抱きしめました。

スーパーでの一件がクラス中に知れわたり、黒板にはトモの悪口が書かれていました。ショックで学校を飛び出したトモ。すると母・ヒロミの姿が一瞬目に入ります。しかしヒロミはどこにもいませんでした。

その日は遅くまで家に帰らなかったトモ。
心配したリンコから叱られてしまいます。

「ママでもないくせに!」とトモは怒りをぶつけ押入れの中へ。

翌日、リンコが帰宅するとトモはまた押入れにこもっていました。そんなトモにラムネと糸電話を差し入れ、内緒話をしようと提案します。糸電話を使って自分の昔の名前や子供が産めないことを告白するリンコ。

するとトモは昨日ママを見かけたと告白しました。リンコはそれ以上聞くことが出来ず、毛糸を買いに家を出ていきますが、トモの告白がショックだったリンコは 自転車で事故を起こしてしまいます。

リンコは病院の男性部屋に入院。

女性部屋に変えてもらうようマキオは病院側に訴えますが、取り合ってもらえません。病院の対応に納得がいかないトモはリンコのベッドの脇で編み物を始めます。「くやしい」と涙をこらえるトモ。

そんなトモに「偉いね」と声をかけ、リンコはトモの頭を撫でました。検査の結果はどこも異常なく、すぐに退院。

早く供養を終わらせって女になる、とリンコはマキオとトモに宣言。それを聞いたがマキオも「ボンノウ」作りに加わり、3人揃って毛糸を編み始めます。

その頃、カイが自ら死を選んでしまいました。

片思いの大野君に宛てた手紙を母親に読まれ、破り捨てられたうえに「罪深い」と言われたのが引き金でした。見舞いに行ったトモは自分なりの励まし方でカイを元気づけます。

ある日のこと、マキオの家に児童相談所の立入調査が入りました。カイの母親がひそかに通報していたのです。

聞き取り調査に加え、トモの体にアザがないかを確認する職員。虐待の疑いは晴れましたが
3人の心に傷を残す出来事でした。

休日、3人は海に出かけます。みんなで編んだ「ボンノウ」が108個揃い、それを浜辺に積み上げてお焚き上げ。

3人は炎を見つめ供養の儀式を終えました。

それから数日後、突然ヒロミが帰ってきました。ヒロミはトモを連れて帰ろうとしますが
トモは動こうとしません。

マキオとリンコはトモを養子にして育てたいと伝え、ヒロミに頭を下げますがヒロミは蔑むような目でリンコの容姿を見て、「冗談でしょ。トモは私の子よ」と一蹴。

これまでの無責任な行動を非難するマキオに「母である前に女なの。どうしようもない時
だってある」とヒロミは開き直ります。ヒロミの言葉が許せないリンコは大人の役目として子供を守ることが大事だと語気を強めますが、「女でもないあんたは母親にはなれない」
とヒロミに言われ、返す言葉がありません。

大人たちの話を聞いていたトモは「リンコさんは色々してくれたのにどうしてママはしてくれないの?どうして早く迎えに来なかったの?」と泣きながら思いの全てを吐き出しました。

バツの悪いヒロミは帰ろうとしますが、結局トモは母親のヒロミを選びました。

しかし、今夜だけ3人で過ごすことに。ひとまずヒロミは一人で帰っていきました。

その夜は川の字になって寝た3人。

リンコとマキオの愛情に感謝しつつ、トモは3人最後の夜を過ごすのでした。

翌朝、リンコはトモの髪をとかし、プレゼントを渡してトモを送り出しました。トモがいなくなった部屋で号泣するリンコをマキオは強く抱きしめました。

トモが自宅につくとヒロミは留守でした。

リンコから渡されたプレゼントを開けると肌色の毛糸で編んだニセ乳が2つ。

トモは思わずニセ乳に手を当てました。

End

感想

ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しましたが『彼らが本気で編むときは、』はLGBTの問題に焦点をあてつつ、親子の関係について描かれた作品です。

親からの愛情が子供にどう紡がれていくのか、映画のタイトルでもある編み物とうまくリンクしていて心に響きました。

風当たりが強かったであろうLGBTの問題をリンコが力強く乗り越えられたのも、母親からの深い愛情と強い肯定感があってのこと。

母親からもらった100%の愛情を他人の子であるトモ、そしてマキオに惜しみなく与えるリンコの姿を見て、強くそう思いました。また、これまでの人生で多くの我慢や理不尽な経験をしてきたリンコの怒りの静め方にも説得力がありましたね。

我慢や抑制のできない人が増えている昨今、ひとり一人がリンコのような制御法を身につけておく必要があります。

自分も編み物に代わる何かを見つけねば(笑)

荻上作品の見どころのひとつ、美味しそうな料理もたくさん登場。

フードスタイリストの飯島奈美さんいい仕事しています。

映画を観た帰りの食堂で思わず唐揚げ定食を注文しちゃいました(笑)