映画ネタバレ

【ネタバレ】アニメ映画『きみと、波にのれたら』あらすじ・評価・感想!

湯浅政明監督による最新作『きみと、波にのれたら』。


引用:https://info.toho.co.jp/kiminami_ks/top.html

2017年公開の『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』などが立て続けに話題になったことも記憶に新しい湯浅監督のオリジナル作品とのことで、注目を集めていました。

今回は、映画『きみと、波にのれたら』のあらすじをネタバレでお届けするとともに、実際に鑑賞してみての評価・感想を紹介します!


あらすじネタバレ:中盤まで

ひな子と港

大学進学を果たした向水ひな子(むかいみず ひなこ)は、進学を機に、子供の頃に住んでいた海辺の街に再び引っ越してきます。


引用:https://www.fashion-press.net/news/44280

早速サーフィンに出かけ、波に乗るひな子。

そんなひな子の姿を、消防士の雛罌粟 港(ひなげし みなと)は、消防署の屋上から見つめていました。港は後輩消防士の川村山葵(かわむら わさび)に、「あの子、俺のヒーローなんだ」と話します。

数日後、とある若者の集団が、無免許で業務用の花火を打ち上げて騒いでいたところ、建物に火が移り、隣のひな子が住むマンションにまで延焼してしまうという騒動が発生。

この一件を機に知り合ったひな子と港は、一緒にサーフィンに行く約束をします。

港の運転で海へ向かう途中、港の車に、スナメリと呼ばれる小型のイルカのキーホルダーがかけられているのを見つけ、「私も好きなんです」と言うひな子。

そこにラジオから、ひな子が小さい頃によく耳にした記憶のある曲が流れてきます。港によると、この曲は最近何かの主題歌になって、また流行っているとのこと。一緒に歌いながらドライブを楽しむ2人。

引用:https://www.fashion-press.net/news/44280

海に到着後、ひな子の指導でサーフィンの練習するも、器用な港も流石に1日では乗れるようになれませんでした。

「せっかく並の静かなところまで来てもらったのに」と謝る港に対して、ひな子は「失敗しても、次の波にのればいいんですよ」と励まします。こうして惹かれ合うようになった2人は、やがて付き合うようになり、幸せな日々を過ごします。

ひな子の不安

クリスマス、雪の中でキャンプをする2人。ひな子は「雪の後にはいい波が来て、そこで“エアリバース”を決めると願いが叶うと言われている」という話をします。

話は互いの将来についてへと繋がり、「一緒に住む?」と尋ねる港に対して、ひな子は「私がちゃんと“波に乗れる”ようになったら」と返します。

料理でもなんでも上手くこなす上に、消防士として立派に働く港。そんな港に対し、ひな子は、自分がサーフィン以外に取り柄がないことや、これから先の自分の将来について不安を抱いていました。

それを聞いた港は、「自分は何もできなかったから」と、自分の過去について話し始めます。

小さい頃、海で溺れた港を、助けてくれた人がいたこと。それ以降、少しずつ「人を助けることをしたい」と思うようになり、今の自分がいること。

話を終えた港は、「ひな子が自分で“波に乗れる”ようになるまで、いつまででもひな子の隣で助ける」と約束します。

港の死

次の日、バイト中のひな子に、港からの「波に乗りにいく」というメッセージが届きます。

「いつも一緒に行ってるのに、抜け駆けするなんて」と不思議に思いつつも、バイトが終わってから急いで海へ向かうひな子。

ひな子が到着すると、浜辺には救急車や消防隊員が集まっていました。そして、どんよりとした曇り空の下には、浜辺に横たえられた港の姿が。

水上ボートで遊んでいた人が海に落ちてしまい、ボードに乗って救出に向かった港。

港は、落下した人の救助には成功したものの、自身は命を落としてしまったのでした。

港の事故をきっかけに、憔悴しきったひな子は、海から離れた場所に引っ越します。

ある日、港の妹の洋子と、後輩の山葵が訪ねてきて、職場にあった港の遺品を渡されます。その中には、画面ロックのかかった状態の港のスマホもありました。

あの日、なぜ1人で波に乗りに行ったのか。その理由を知りたいひな子は、ロックを解くためにさまざまな数字を試しますが、解除することはできませんでした。

水の中の港

ある日、ひな子が、山葵や洋子と一緒にカフェでお茶をしていると、港との初めてのドライブデート以降、いつも港と一緒に歌っていた思い出の曲が流れてきました。

曲に合わせて歌を口ずさむひな子。すると、グラスの水の中に港の姿が現れます。ひな子以外には港の姿は見えておらず、山葵たちに心配されるひな子。

引用:https://www.fashion-press.net/news/44280

その後もひな子が曲を口ずさむごとに、水の中に姿を表す港。ある時、ひな子が思い切って川に飛び込むと、そこには港がいました。

港「“ずっとひな子のこと助ける”って言っただろ?」

こうして会話ができるようになったひな子と港。

ひな子は、どうしてあの日、1人で波に乗りにいったのか尋ねますが、港からは「1人で練習して、ひな子を驚かせようとしただけ」だと返ってきます。

消えそうになる港

水筒の中の港を、どこへ行くにも連れ歩くひな子。ある時は、港の誕生日にプレゼントしたスナメリ型の浮き輪に水を入れ、その中に港を呼び出し、並んで歩きました。


引用:https://www.anemo.co.jp/movienews/anime/kimi-nami-8-20190417/

そんな中、ひな子が男性とぶつかって倒れてしまいます。

ひな子が男性に手を引かれて助け起こされるのを見て、自分がひな子に触ることすらできない存在であることを実感する港。

港はひな子に、「俺もたくさんある波のうちの一つ。ひな子も次の波に備えないと」と言います。

一方、相変わらず他の人には港の姿は見えていないため、スナメリの浮き輪を引いて歩くひな子を目撃した山葵は、心配していました。

ある日、橋の上で発生した自動車事故の近くに、ひな子と山葵は居合わせます。車が燃え始めたのを見て、歌を口ずさむひな子。すると、川の中に港が出現し、水の塊を操作して炎を消火しました。

しかしその直後、港が消えかかってしまいます。「港が消えちゃう」と取り乱すひな子に対して、港のことが見えない山葵は「先輩はもういないんです!」「ひな子さんがそんなんじゃ、先輩も成仏できない」と言います。

部屋に戻ったひな子は、水中に呼びたした港がかなり弱った様子なのを見て、「私が、お願いばっかりしすぎたからーーー?」と落ち込みます。

あらすじネタバレ:結末まで

ここから物語の結末までネタバレしています。未見の方は注意してください。

港の願い

ひな子は、洋子に頼んで、港の実家に向かいました。そこでひな子は、“器用だからなんでもこなせる”と思われていた港が、並々ならない努力でそれを身につけていたことを知ります。

ひな子は、港が小さいころに海で溺れた時、自分よりも小さな女の子に助けてもらったことをきっかけに、「自分も頑張れば誰かを助けられるかもしれない」と思うようになったことを聞かされます。

そしてその日が、港にとって「生まれ変わった記念日」だったらしいことも。

それを聞いてある事を思い出し、実家へ向かうひな子。ひな子は母親に、「あたしさ、男の子を助けたことあったよね?」と尋ねます。

浜辺であの曲がヘビロテされていた頃ーーー

引用:https://www.fashion-press.net/news/44280

浮き輪で泳いでいた港は、離岸流に捕まり、沖で溺れてしまいます。それを偶然見かけたサーフボードに乗った少女は、港の身体を引き上げ、ボードに乗せて浜辺へ連れ帰りました。

大人の処置を受けて呼吸を取り戻した港が目を開けると、「あの子が助けてくれたんだ」と教えられます。

そこには、スナメリの描かれたボードを抱えたひな子がいました。この日からひな子は港にとって「ヒーロー」だったのですーーー。

ひな子の実家には、この件でひな子が表彰された際の新聞記事が残っていました。記事を元に、港を助けた日の日付を、港のスマホに打ち込むひな子。

ロックが解除されたスマホには、港が水上ボートから落下した人を助けに向かう直前、ひな子に送ろうとしていたメッセージの文面が残っていました。

そこには、雪が降った後の波で、願いが叶うという“エアリバース”を決めたこと。そして港の願いは、「ひな子が“自分の波に乗れる”ようになること」と、「それまでずっと、ひな子のそばにいれること」だということが書かれていました。

こうして、港の想いを知ったひな子は、ライフセービングの免許取得のための講習を受けることにします。

波に乗るひな子

昨年、建設現場に不法侵入し火災を起こした若者グループが、今年も花火の打ち上げを計画していました。今回の場所は、高さ15階分以上にものぼる巨大な木を中心にすえた廃ビル。

カフェでその計画を偶然聞いてしまった洋子は、ちょうど店にやってきたひな子とともに、その集団の後をつけることにします。

引用:https://www.fashion-press.net/news/44280

廃ビルの中層部にプールがある事を横目に、ひな子たちが上へ上へと登っていくと、若者集団は、建物の上層部で打ち上げ花火を始めました。

警察に突き出そうと、証拠写真を取ろうとする洋子たちでしたが、そうこうするうちに、花火が中心にそびえる巨木へと燃え移ってしまいます。

山葵たち消防隊員が出動するも、火の勢いが強い上に、はしご車がつけられない建物で苦戦する中、ひな子と洋子は上層で身動きが取れなくなっていました。

「いま港を呼んだら、今度こそ港が消えちゃうかも」と思うと、港を呼べないひな子。しかし、不安でいっぱいになった洋子が「お兄ちゃんーーー」と泣き出したのを見て、決意を固めました。

ひな子があの曲を口ずさむと、港の声が聞こえます。

港「ひな子が“自分の波に乗れる”まで、ひな子のことを助けるよ」

中層にあったプールのなかに現れた港は、プールの水を操作し、下から1階ずつ火を消化していきます。

水がひな子たちのいる階にやってきて、洋子も港の姿を見ることができました。ひな子は、水に浮いていた木の板に自分と洋子を乗せ、水とともに建物の最上部まで上昇していきます。

一番上まで登り切ると、水は建物の側面に沿って波のように流れ落ち始めました。

港「ひな子!漕いで漕いで!立って!“波に乗る”んだ!」

ひな子は、洋子がしがみ付いた木の板をボード代わりにして、流れ落ちる波に乗ります。あっけにとられながら地上からそれを見つめる消防隊員たちと、楽しそうに波に乗るひな子と洋子。

無事に地上に降り立ったひな子たちが空を見上げると、黄色く輝く光をまとい、空へと消えていく港の姿がありました。

季節は巡りーーー。

ライフセーバーの免許を取得したひな子は、離岸流を見つけては周囲に注意喚起をしながら、自身もサーフィンを楽しんでいました。

夕方になり、「今日はもう波来ないなー」と、多くのサーファーが岸へと戻ろうとする中、じっと沖を見つめるひな子。

すると、静かになっていた海に、良い波がきます。夕焼けの中、ひな子は笑顔で波に乗るのでしたーーー。

映画『きみと、波にのれたら』の評価と感想

湯浅政明監督の最新作とのことで観にいきましたが、前情報通り「ド直球のラブストーリー」だったなぁという感想です。


引用:https://books.rakuten.co.jp/rb/14777780/

湯浅監督の恋愛ファンタジー作品といえば、森見登美彦さんによる原作を映像化した『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』などが記憶に新しいですが、『夜は短し〜』などが“こじらせ系主人公”を主軸にしつつ「こじらせているからこその一周回ってピュアな純愛」を描いているのに対し、『きみと、波にのれたら』は最初から最後まで真っ直ぐで純粋なラブストーリーでした。

それでいて、特に終盤の火災発生時の波乗りのシーンなどに顕著なファンタジー性の高い展開で、アニメーションならではの高揚感を演出する手腕はやはり見事。ラブストーリーと並行して描かれた「自分の道を見つける」という普遍性の高いテーマも、観る側を物語に引き込みます。

最初こそあまりのピュアなノリについていけるかなと若干不安になりましたが、最後には2人の恋愛感情や、ひな子の気持ちにすっかり感情移入させられてしまいました。

「恋人の死」という辛い出来事があるものの、観た後は爽やかな気持ちになれる作品なので、特に若いカップルのデートムービーにはぴったりな一本じゃないかと思います。

あわせて読みたい
アニメ映画『きみと、波にのれたら』の声優は?一覧で紹介!2019年6月21日に劇場公開となるアニメーション映画『きみと、波にのれたら』 『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、...

まとめ

以上、『きみと、波にのれたら』のあらすじをネタバレでお届けしつつ、評価・感想を紹介しました。

本作でのあまりに真っ直ぐなラブストーリーっぷりは、湯浅政明監督の新境地と言って過言ではないのではないかと思います。

次回作にもぜひ注目したいですね!