映画ネタバレ

『タリーと私の秘密の時間』のネタバレ(ラスト結末)と感想

映画『タリーと私の秘密の時間』のネタバレです!

育児と夫婦関係に悩む主婦とベビーシッターとの友情を描いた『タリーと私の秘密の時間』。

主演は、役作りのために18キロの増量に挑んだシャーリーズ・セロン。監督は『JUNO/ジュノ』、『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞にノミネートされたジェイソン・ライトマン。

2人がタッグを組むのは『ヤング≒アダルト』に続いて2作目となります。

イマドキ女子でありながら完璧な仕事ぶりのタリー。彼女は昼間は何をしているのか? マーロの前に現れた本当の目的とは?

今回はそんな映画『タリーと私の秘密の時間』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。

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『タリーと私の秘密の時間』のあらすじ・ストーリー

3人目の出産を間近に控え、余裕のない日々を送る専業主婦のマーロ(シャーリーズ・セロン)

夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は優しいものの、家事も育児もすべてマーロに任せっきり。

手がかからない娘のサラに対して、息子のジョナは情緒が不安定。些細なことでパニックを起こすため、マーロはネットで調べたセラピーを試していました。

ある日のこと、ジョナが通う小学校の校長に呼び出されたマーロは、ジョナをサポートする専属教師を自費で雇ってほしいと告げられます。しかし、経済的にもそんな余裕はありません。

そんなとき、マーロの兄クレイグ(マーク・デュプラス)のホームパーティーに招かれました。

事業で成功しリッチな生活を送るクレイグは、疲れ切っているマーロを案じて、夜間専門のベビーシッターの費用を出産祝いとして負担させてほしいと提案。

しかし、見知らぬ人に赤ちゃんを預けることに抵抗のあるマーロはその提案を断ってしまいます。

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そんなマーロに、クレイグはベビーシッターの電話番号が書かれたメモを強引に手渡しました。

それから間もなくしてマーロは女の子を出産しますが、家事と育児にくわえ、赤ちゃんへの授乳やオムツ替えに追われて心底疲れ果ててしまいます。

そんなとき、ふたたび校長に呼び出されたマーロはジョナの転校を勧められますが、ついにイライラが爆発し、校長に暴言を吐いてしまいました。

限界を感じたマーロは、学校からの帰り道、ポケットからベビーシッターの電話番号が書かれたメモを取りだします…。

その夜、訪ねてきたのは「タリー」(マッケンジー・デイヴィス)と名乗る20代のベビーシッターでした。

おへその見えるTシャツにジーンズ、タメグチで話してくるタリーに戸惑うマーロでしたが、「私を頼って!」と自信ありげに話すタリーに赤ちゃんの世話をまかせて、マーロは2階の寝室で久しぶりに熟睡。

翌朝、マーロが1階におりるとタリーの姿はなく、テーブルの上にはメモが。しかし、この8年間まったく掃除していなかったリビングとキッチンがピカピカに!

ベビーシッターでありながら、とても気が利くタリーの仕事ぶりにマーロは信頼を寄せはじめます。

タリーはその後もつぎつぎと家事をこなし、さらには「人生の全部をケアしなくちゃ!」と言って、マーロの悩みごとや相談にも乗るように。2人の間にはいつしか友情が芽生えていました。

しかし、タリーはいつも朝には姿を消してしまい、昼間は何をしているのかも語ろうとはしませんでした…。

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『タリーと私の秘密の時間』のラスト結末(ネタバレ注意)

以下、ネタバレ含みます。

ある晩、マーロが夫とのセックスレスに悩んでいることを知ったタリーは、夫の好きなウェイトレスのコスチュームを着て、寝ているドリューのベッドにもぐりこみます。翌朝、ドリューの表情はどこかスッキリしていました。

タリーのおかげで気持ちにも余裕が出てきたマーロと家族たち。マーロは息子のジョナを転校させました。

ある夜のこと。遅刻してやってきたタリーは「気晴らしに町に出て、一杯だけお酒を飲もう!」とマーロを連れ出します。

あまり乗り気でないマーロでしたが、車の中で青春時代に好きだった音楽を聴いているうちに気分がアガり、バーに入ってからも上機嫌。

そんなとき、タリーがベビーシッターを辞めると言い出しました。

タリーの突然の申し出にショックを受けたマーロは、バーを飛び出すと、路上に停めてあった自転車を盗んで昔住んでいたアパートの前へ。

後を追ってきたタリーが必死に説得し、なんとか車で帰宅しますが、その帰り道、マーロは居眠り運転で橋から川へと転落してしまいます。

マーロが乗った車が川底へと沈んでく中、車のドアを開けてマーロを救い出したのは人魚の姿をしたタリーでした…。

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病院のベッドで目を覚ましたマーロの傍らには夫のドリューが。そこへ兄のクレイグが到着。病院スタッフとのやり取りでマーロの旧姓が「タリー」であることを告げるのでした。

タリーの正体は、忙しさのあまり睡眠障害に陥ってしまったマーロが、疲れきった自分自身を救い出すために作りあげていた妄想だったのです。

病室でひとりになったマーロの枕元にふたたびタリーが現れ、最後のお別れを告げて行きました…。

退院後、ストレスを溜め込まないよう家事と育児のやり方を替えたマーロ。ドリューも積極的にサポートをするようになり、2人はキッチンで音楽を聴きながら食事の準備。

マーロは息子のジョナと向き合う時間も増えて、彼へのセラピーも必要なくなるのでした…。

End

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『タリーと私の秘密の時間』を観た感想

ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しました。

家事と育児を妻ひとりで回す「ワンオペ育児」。こうした現状がアメリカでも一般化していることがこの作品からもうかがえますが、育児は予測不能なことの連続であり、妻ひとりの頑張りだけではどうにもなりません。

妻ひとりに負担が集中し、家庭内にもそのしわ寄せが。そのことが妻を追い込んでしまう…

『タリーと私の秘密の時間』では、家事と子育てに疲弊し、限界を迎えた母親の心の叫びがリアルに描かれていましたが、同じようにワンオペ育児で奮闘中の女性がこの作品を観たら、共感を覚えるとともに、きっと泣き出してしまうのではないでしょうか。

かつて夢見ていた理想の姿と、あまりにも違いすぎる現実との対比。完璧を求めすぎてしまうあまりに自分を苦しめてしまうマーロの頑張る姿に胸が苦しくなりました。

そんなマーロの役を、18キロも増量して役作りに挑んだシャーリーズ・セロンの女優魂には圧巻です。生活に疲れ、美貌と若さを失った中年女性をリアルに体現していたと思います。

杖をついて育児をするマーロの姿は痛々しいものの、家庭内の問題にも解決の糸口が見えてきたラストにホッと胸を撫でおろしました。

夫婦間の役割分担について考えるキッカケを与えてくれる作品だと思いますので、ぜひご夫婦で。そして、結婚を考えている男女にも観てほしい作品です。