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実話映画「私は絶対許さない」あらすじ・犯人ネタバレ(ラスト結末)と感想!

映画『私は絶対許さない』のネタバレです!

15歳にして性犯罪被害者となった女性の手記を完全映画化した『私は絶対許さない』

レイプされた女性の人生がその後どのように狂っていくのか?

監督は精神科医でもある和田秀樹。精神科医ならではの視点で、トラウマに苦しむ女性の姿がリアルに描かれています。

今回はそんな映画『私は絶対許さない』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。


私は絶対許さないのあらすじ

では、まずあらすじから。

ある大晦日の夜。中学3年生の葉子(西川可奈子)は、誰もいない東北の無人駅で、母親(美保純)が車で迎えに来るのを待っていました。

ところが、男5人が乗った車に無理矢理押し込められ、その中の1人の自宅へと連れて去られてしまいます。

男たちは葉子を乱暴し、朝まで代わる代わるにレイプ。

翌朝、隙をみて逃げ出した葉子は死にもの狂いで雪の中を走り、やっとの思いで帰宅しますが、全身傷だらけの葉子を待っていたのは、無断外泊を責める父親の暴力と母親からの怒号でした。

カラダだけでなく心までズタズタになってしまった葉子は、カッターで手首を切って自殺を図りますが、目が覚めると出血は止まっており、もう一人の自分が語りかけてくるようになりました。

フルカワ、キムラ、ヌマシタ、マサアキ、サイタ…。

葉子は自分をレイプした男たちへの復讐を誓うのでした。

翌日、学校カバンを取り返すために男の自宅へと乗り込んだ葉子は、主犯格の養父である早田(隆大介)から声をかけられ、援助交際を申し込まれます。

男性に対して激しい嫌悪感はあるものの、家を出ていくためのお金が必要だった葉子は、早田の愛人になることを決意。

冬休みが終わると、葉子がレイプされたという噂が学校中に知れわたり、駅や校内のトイレにも悪質な落書きが。レイプの被害者でありながら、葉子は友達からも白い目で見られてしまいます。

それでもじっと耐え、早田との援助交際をつづけた葉子。高校を卒業する頃には400万円の資金を貯め込んでいました。

葉子はそのお金をもって東京へ。整形手術で顔を変え、大学へと進学します…。

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私は絶対許さないのラスト・結末(犯人ネタバレ注意!)

以下、ネタバレ含みます。

整形手術で顔を変えた葉子(平塚千瑛)は、生活費と学費を稼ぐために風俗店へ。

性欲むき出しのイヤらしい客が多い中、紳士的な雪村(佐野史郎)という客と知り合った葉子。

カラダに触れようともせず、高級レストランでのデートや高価なプレゼントをくれる雪村に心惹かれた葉子は、プロポーズを受け入れて結婚することに。

こうして葉子と雪村の新婚生活が始まりますが、独占欲のつよい雪村は葉子を自分の思いどおりに支配。

外出を制限し、テイクアウトした高級店の料理を食べさせつづけた結果、葉子は精神を病んでしまい、体もぶくぶくに太ってしまいます。

このままでは雪村に飼い殺されてしまう…。

葉子は一念発起してスポーツクラブに入会。そこで知り合った女性からの助言で看護の道をめざすことを決意します。

1年かけて体型を元に戻した葉子は、雪村を説得して看護学校へ。しかし、雪村の心は自分の思いどおりにならない葉子から次第に離れていきました。

自由になった葉子は、看護学校に通学するかたわら、デリヘルでも働くように。

葉子はデリヘルの客と長距離ドライブに出かけますが、たまたま立ち寄ったサービスエリアで、高校時代に援助交際をしていた早田の姿を見かけます。

すっかり容姿は変わっていたものの、つらかった中学・高校時代の記憶が蘇ってきた葉子の足は、卒業以来戻っていなかった故郷へと向かっていました。

死んだ父親の墓参りを済ませ、実家の前で年老いた母親と顔を合わせますが、整形した葉子には気づきませんでした。

その後、葉子は雪村と離婚。看護学校を卒業し、夜はSM嬢として客に鞭を打つのでした…。

End

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私は絶対許さないの感想

ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しましたが、『私は絶対許さない』というタイトルどおり、全編から主人公の怒りと苦しみが伝わってくる作品でした。

トラウマに苦しみながら、必死に生きていこうとする女性の姿が描かれた本作。もしもレイプされていなかったら? レイプされたことを家族に相談できていたら?

主人公が歩んだ壮絶な半生を観ながら、トラウマや周囲の反応がその人の人格をいかに変えてしまうのかについて考えさせられました。

精神科医でもある和田秀樹が監督ということで、精神科医ならではの視点が随所に感じられる演出でしたが、特筆すべきは主人公目線で撮影された完全主観映像でしょう。壮絶なレイプシーンや家族からの暴言・暴力シーンも主人公目線で撮影されており、とても臨場感がありました。

また、15歳の自分が現れて話しかけてくる描写も、多くの性犯罪被害者に見られる離人症という症状だそうで、こういった演出も、さすが精神科医だと思います。

前半の展開から考えて加害者の男たちに復讐していくという結末なのかと思いきや、主人公はラストでSM嬢に。

壇蜜主演の『甘い鞭』という作品も、監禁された経験をもつ女子高生が大人になってSM嬢になるというお話でしたが、性犯罪被害者が風俗産業に就く理由のひとつに、男への復讐があるそうです。セックスを楽しむ演技をして男をバカにする。そう考えると、この結末にも納得がいきます。

レイプされたことを誰にも相談できずに苦しんでいる被害者の数は自分が想像する以上かもしれませんが、性犯罪被害者の苦しみについて考えてみるキッカケになる作品でした。

R18指定でキツい描写もありますが、ひとりでも多くの人に観てほしいと思います。