欅坂46の平手友梨奈の初主演映画「響-HIBIKI-」が2018年9月14日から公開になりましたね!
本作は柳本光晴先生の「響〜小説家になる方法〜」が原作となった映画で、平手さん自身もこの響の生き方に憧れていたそうです。
そして映画の主題歌も平手さんが担当して「角を曲がる」というタイトルとなっています。
てっきり、欅坂46のメンバーで歌うと思っていたのですが、ソロでの歌いきっていますね。
そんあ映画「響−HIBIKI−」を見てきたので、あらすじ・ネタバレ・感想を紹介します。
ネタバレが含まれますので、これから視聴を考えている方はご注意ください。
響-HIBIKI-のあらすじ
現代のスマートフォンやSNSなどの普及で、活字離れが進み、文芸界は出版不況に陥っていた。文芸誌「木蓮」の編集部に務める花井ふみは、そんな今の状況を打破してくれるような新たな才能の発掘を夢見ていた。
そんな編集部の元に、ある一つの小説が届く。現在、新人賞の応募作品を募集しているが、今回のエントリーはパソコンでのデータ投稿の募集のみだった。しかし届いた小説は、応募要項を無視した手書きだった。応募要項の基準を満たしていない為、破棄用ダンボールに入れられてしまう。
その小説をたまたま手にしたふみ。封筒の裏には住所もなく「鮎喰響」とだけ書かれていた。ふみは封筒をあけ『お伽の庭』というタイトルが書かれた小説を読んでみた。何気なく読み始めたが、筆者のあまりの才能に驚く。こんな作品は見たことが無い。必ず、新人賞を受賞する。と感じたふみは、締め切りに間に合う様、筆者の許可なくパソコンでテキストに起こしてく。ふみはこの小説を世に出す為に、編集の仕事に就いたのかもしれないとまで思っていた。
一方、この小説を書いた鮎喰響は15歳の少女だった。本を読むことも、書くことも大好きな響。しかし、彼女は普通では無かった。高校を入学したばかりの響は、幼馴染の涼太郎と文芸部に訪れた。
出典:http://www.hibiki-the-movie.jp/index.html
文芸部の部室を開けると、そこはタバコをふかした悪そうな上級生の溜まり場となっていた。文芸部への入部希望を伝えると、その中のリーダー格、タカヤに「出てけ」と言われてしまう。しかし、響は食い下がらない。「二度も言わせないで。入部希望よ。」と伝えると、「殺すぞ」と胸ぐらを掴まれてしまう。
その瞬間、響は胸ぐらを掴んでいる手の指を掴み、指を折ってしまう。「私は殺すぞって言われたから、殺されないようにしただけ。」と冷淡な口調で話す響。響は、自分の正義を曲げない。ごまかしや、嘘を許さない。自分が正しいと思った時は、暴力をも厭わないそんな女の子だった。
その場にいた2年生の凛花は文芸部の部長だった。見た目は華やかなギャルだが、彼女は本が大好きだった。彼女も響同様、小説を書いており、ネットに投稿している作品は、話題になっていた。そして凛花の父は、日本で知らない人はいない有名な小説家、祖父江秋人だった。ふみの務める出版社でも、祖父江秋人の本を出版している。そして、今度は娘である凛花の才能を世に出す為、ふみが担当編集者となり、デビュー作出版の準備を進めていた。
響は文芸部に入り、凛花と交流を深めていく。響は凛花が部で書いた小説を素直に面白いと思っていた。そして、凛花は響が書いた小説を見て、あまりの才能に言葉を失う。とんでもない才能に嫉妬心が芽生えていた。
ふみの思惑通り、響の書いた小説が新人賞の最終候補作にまで進んでいた。
しかし、響からは一度電話があり、小説の感想を聞かれただけで一方的に切られてしまい、編集部からは連絡も取れない状況だった。
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響-HIBIKI-のネタバレ結末
そんなある日、ふみは編集部の使いで祖父江家に原稿を取りに行く。そこで凛花に誘われ遊びに来ていた響と、念願の出会いを果たす。ふみは響の小説を世に出したいと情熱を本人にぶつける。
出典:http://www.hibiki-the-movie.jp/index.html
そして響の作品は、高い前評判通り新人賞を受賞する。もう一人の受賞者である、田中康平と控え室で一緒になるが、「どうせ、話題性だけだろ?読まなくても分かるわ。」と批判してきた田中。
響は彼が壇上で受賞スピーチをしている時に、後ろからパイプ椅子で殴りつけてしまう。激しくフラュシュを浴びる響。この事件により色んな意味で世間から注目を浴びることになってしまった。
さらに響の小説は、芥川賞・直木賞にWノミネートという60年ぶりの快挙を果たす。世の中の響への注目はどんどん加速して行った。過去に暴力事件を起こした響を、必要に追い回す記者の矢野。矢野は事あるごとに響に接触しては、スクープを狙っていた。
その後、響の作品は芥川賞と直木賞をW受賞する。前代未聞の快挙にふみを含め、編集部の全員が心から喜んでいた。しかし世間では、過去の暴力事件が大きく取り上げられる。響の暴力的な性格を引き合いに出し、そんな人間が書いた作品なんて・・・と否定する声も上がっていた。
受賞会見の日、響が暴走しないようにと全ての質問はふみ代わりに答えることを決めた。
出典:http://www.hibiki-the-movie.jp/index.html
会見が始まると響を執拗に付け回していた矢野が手をあげ質問する。
その時「あなたの質問には私が答える。」という響。そして、編集者のふみを侮辱する様な質問を浴びせた矢野に対し、響はマイクを投げつけ、飛び蹴りをし、馬乗りになる。会見は中断となり、響は連れ出された。
受賞会見の帰り道、響はある男が踏切で佇んでいる事に気がつく。自殺志願者のこの男は、今回の芥川賞にノミネートされながらも受賞を逃した山本だった。過去4度ノミネートされたものの、受賞することは出来ず、魂を削って書き上げた今回の作品も、受賞することは無かった。
失意の山本は、響に胸の内を話す。すると、踏切に飛び込む響。「太宰も言ってたでしょう?小説家なら、傑作一本残して死ねと。私はまだ傑作を書いた覚えはないから、死なない。」と。
電車にひかれそうになるが、ギリギリのところで助かる。
会見の対応に追われるふみのところに一本の電話が。響からだった。
「新しい物語が頭に浮かんできたの。私がそれを書き終えたら、また一番に読んでくれる?」
頷くふみ。
実は、響はパトカーの中からふみに電話を書けていた。
電車を止めた1億の賠償金は、出版が決まった『お伽の庭』の印税で払うと・・・。
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響-HIBIKI-感想
本作は欅坂46、平手友梨奈の初主演映画。本作の主人公響と、平手友梨奈には共通点が多く、平手友梨奈本人も、響の生き方が好きと語っています。
平手友梨奈は本作のオファーを受けてから、クランクイン1週間前までこの役をやるかどうか悩んでいたと言います。欅坂46の活動を休止してまで、本作に賭け挑んだ演技は、とても自然体で、嘘がない演技です。
脚本を最初にもらった時に監督に「面白くないです。」と素直に話し、そこから監督とひとつひとつ話し合い、ストーリーを変えていったというエピソード。納得できない事はしない、という響の精神は、平手友梨奈がもともと持っている部分でもあり、妥協しない彼女のストイックでクリエイティブな精神が本作を更に良いものにしたと感じます。
また、注目すべきはエンディング曲「角を曲がる」。平手友梨奈のソロ曲なのですが、映画公開初日までその事は伏せてありました。それは響という映画が、平手友梨奈のものになることを恐れた彼女の発案だったそうです。
作曲を手がけたのは、「エキセントリック」や「避雷針」などを手がけており、欅坂46のファンの中でも人気の高いナスカ。
エンドロールと同時に流れるこの曲は、響の叫びであり、平手友梨奈の叫びでもあります。17歳という、平手友梨奈の今しかない思春期の輝きが収められた一本。