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『ナラタージュ』映画のあらすじ・ネタバレと結末!切なすぎるラストは必見

映画『ナラタージュ』のネタバレを紹介します。

小説家・島本理生さんが20歳の時に執筆した鮮烈な書き下ろし作『ナラタージュ』。

『世界の中心で愛を叫ぶ』から『ピンクとグレー』までの身に染みる恋愛映画を発表し続ける行定勲監督がついに映画化されました。

主演は松本潤さんと有村架純さん。

ともに今までにないキャラクターに挑んで新境地を開拓したと言っていいのではないでしょうか。

共演は坂口健太郎さん、瀬戸康史さん、市川実日子さん。

それぞれ決して多い出番ではありませんが印象深い演技を残しています。

今回はそんな注目の映画『ナラタージュ』のあらすじとネタバレをラスト結末まで触れていきたいと思います。

※この文章では映画のラスト結末までネタバレしています。


映画『ナラタージュ』のあらすじ・ストーリー

 

映画業界で働く工藤 泉(有村架純)は毎日のように夜遅くまで残業する日々。

仕事に明け暮れていた彼女は、地元の友人からは働きすぎだとあきれられる始末でした。

大雨の日、出先からずぶ濡れで帰ってきた同僚にタオルを渡す泉。

外の雨をボンヤリと見ながら、もう動かない懐中時計をそっと取り出します。

この懐中時計は、泉の “壊れるほどの恋”を想いださせるものでした。

それは、かつて心から愛した高校時代の教師・葉山貴司から贈られたものだったのです。

高校生時代ー

泉は自分の居場所を感じられず空虚な高校生活を過ごしていました。

高校三年生のある日、偶然すれ違った教師の葉山(松本潤)から演劇部に誘われます。

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そこで泉はやっと居場所を得られたような気がして充実した高校生活を送ることができました。

そして、いつしか泉のなかで葉山の存在がどんどん大きくなっていくのを感じます。

一方で葉山の中でも純粋な泉の存在が大きくなっていきました。

そして葉山はあることを泉に打ち明けます。

実は葉山は既婚者だったということ。

現在は別居状態で、出ていった妻を想い続けていた葉山は、籍は抜かずに帰りを待っていたのです。

しかし、泉の純粋さに惹かれ始めていたことで葉山の心は揺れ動いていました。

そして卒業の日。

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互い想いを募らせた2人は、ついにキスを交わします。

泉は「一生に一度の恋」として、葉山への想いを抱えたまま卒業していきました。

大学生時代ー

大学2年。卒業の日のキスから丸2年、泉の心の中には葉山が居続けていました。

ある日、泉のもとに葉山から連絡が入ります。

2年ぶりの会話でした。

葉山からの話は演劇部の卒業公演の手伝ってくれないかという話でした。

今の演劇部員は3人しかいなくて、まともに一つの演目もできない状態とのこと。

そこで泉と同級生だった黒川の友人で演劇経験のある小野玲二(坂口健太郎)と一緒に、演劇を手伝います。

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その結果、卒業公演は何とか形になっていきました。

期せずして再会を果たした泉と葉山の2人。

週に一度高校で演劇の練習を重ねるうちに、2人の関係が動き出します。

一方で一緒に作業を手伝った小野もまた、泉と行動をともにするうちに、彼女に惹かれ始めていました。

深まっていく泉と葉山の関係。

ある雨の夜、葉山からの弱々しい声で電話がかかります。

駆け付けた泉そこには深酒をして動けなくなっていた葉山がいました。

泉は葉山を家まで送ることに。

一瞬近くなった二人の距離。

しかし泉は葉山の嘘を知ってしまいます。

葉山の妻は心を病み、それゆえに妻の両親に求められて別々に暮らしていることを。

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それ故に葉山は籍を抜かずに妻の帰りを待っていたのでした。

葉山の嘘に混乱する泉。そんな泉を葉山はきつく抱きしめますが、泉の心には大きな穴がぽっかりと空いてしまいます。

公演は終わっても泉は葉山に対して距離を感じたままでした。

そんな心揺れる泉を見て、小野は突然実家に誘います。

思わぬ暖かみにふれ思わず和む泉。

そんな泉に小野は想いを告げます。

葉山の存在を振り切るため、泉は小野の想いを受けることに。

最初は順調に見えた泉と小野の交際。

しかし泉の行動や物事のはしはしに見え隠れする葉山の存在に、小野は嫉妬を覚えるように。

それでも泉は葉山の存在を自分の中から少しでも消し去って小野に接しようとしますが…。

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映画『ナラタージュ』のラスト・結末(ネタバレ注意)

泉のもとへ突然の悲しい知らせが届きます。

それは公演の練習のころからどこか悩みがあるように感じていた女子演劇部員の自殺騒動でした。

そして救急搬送先で、はからずも泉は葉山と再開してしまいます。

教え子の自殺騒動で明らかに動揺している葉山を見て心が揺れる泉。

自分の中の葉山の大きさを実感した泉は、一度は小野と共にその場を去りましたが、葉山への想いを忘れられず、小野に詫びながら別れを告げ葉山のもとへ走ります。

病院の前で茫然自失としていた葉山の前に駆けつける泉。2人は強く抱きしめ合いました。

そして、葉山は一つの決断をします。

それは転勤して妻のもとに向かうということ。

告げられた泉はそれを受け入れたうえで、改めて葉山への愛を告白。葉山も泉のことを愛していると答えました。

別れを決め、そのうえでお互いの愛を確かめ合った2人は結ばれることに…。

別れ際、最後に葉山は泉に”あるもの”を贈ります。

それこそあの懐中時計でした。

泉はそれを受け取り、2人は別れるのでした。

ー(回想の終わり)ー

外の大雨を観ながら、そんな学生時代のことを思い出していた泉。

いつしか強い雨はやみ、夜が明け始めていました。

End

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映画『ナラタージュ』の感想

以上、映画『ナラタージュ』のあらすじとネタバレををラスト結末まで触れさせて頂きました。

『ナラタージュ』の映画化は行定勲監督の12年越しの企画でした。

監督のもとに原作が持ち込まれたのがちょうど『世界の中心で愛を叫ぶ』のころの話です。

原作『ナラタージュ』は島本理生の初の書下ろし作品ということで、デビュー作に近い作品です。

それゆえに文章の表現、構成などには正直粗さも感じました。

ただ、その粗さが“本当の恋愛の形”“恋愛の現実(=リアル)の痛み”を語っていくにはマッチしていました。

一方で行定監督自身の『世界の中心で愛を叫ぶ』以降ライトなテイストのボーイミーツガール型ラブストーリーが日本映画の主流になっていきました。

皮肉にも行定監督自身が作った流れが『ナラタージュ』の映画化の道を険しいものにしてしまいました。

しかし、その時間は決して無駄ではありませんでした。

行定監督は大型企画もこなせるヒットメーカーとなり、主演に松本潤と有村架純を得ることができました。

はっきりとした性愛描写も二人は受け入れました。

松本潤は本来のスター性・強い目地からを封印、監督からの“100%の松本潤を40%の松本潤”にという求めに応えました。

そこにいたのは精神的なもろさを抱える一人の男。

有村架純も今までにない包容力と母性を感じさせる役どころで、松本潤演じる葉山を一途に想い続ける儚さと、時に葉山を支える強さを併せ持つヒロインを好演でした。

「キラキラした映画はたくさん作られているけど、現実の恋愛はそうじゃない、こんなことだったら恋愛なんてしなきゃよかったという恋愛の一面を描いて、いい意味で若い人たちを傷つけたかった」という監督の狙いは見事にはまった、久しぶりに痛みを感じる恋愛映画でした。