映画『15時17分、パリ行き』のネタバレです!
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2015年に起きた無差別列車テロに立ち向かった3人の若者の真実を描いた『15時17分、パリ行き』
メガホンを取るのは、『父親たちの星条旗』、『アメリカン・スナイパー』、『ハドソン川の奇跡』など、実話ものの傑作を数多く手がける巨匠クリント・イーストウッド。
犯人に立ち向かった3人の若者をはじめ、実際に事件に遭遇した一般の乗客が本人役として出演。徹底的にリアリティを追求した作品になっています。
彼らはなぜ、命の危険をかえりみずテロに立ち向かうことができたのか?
今回はそんな映画『15時17分、パリ行き』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。
※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。
『15時17分、パリ行き』のあらすじ
では、まずあらすじから。
スペンサーとアレクは、アメリカ・カリフォルニア州サクラメントの中学校に通う親友同士。
2人にはADD(注意欠陥障害)の症状がみられ、彼らの母親は担任教師から薬物治療を勧められますが、そのことで学校側と対立。2人はキリスト教系の中学へと転校することに。
スペンサーは転校先で生徒会長に立候補しますが、結果は落選。納得がいかないスペンサーとアレクは授業をサボってしまい、校長室に呼び出されてしまいます。
校長室には呼び出しの常連、アンソニーがいて、問題児の3人は意気投合。3人で一緒に遊ぶようになります。
スペンサーが趣味で集めたモデルガンを使って軍隊ゲームをする3人でしたが、校風に馴染めなかったアンソニーが公立の中学へと転校。アレクも父親が暮らすオレゴンに引っ越してしまいます。
離れ離れになってしまった3人でしたが、ネットを通じた交流はその後も続いていました。
大人になったスペンサーは、軍人になる夢を叶えるために、筋トレとダイエットで肉体改造し、見事に入隊資格を得ました。
本人の希望は空軍のパラレスキュー部隊でしたが、適性検査で奥行き知覚欠如と診断され、パラレスキューへの道は絶たれてしまいます。
戦場で人助けをするのが夢だったスペンサーですが、進路を変更して、SERE指導員(※Survival=生存、Evasion=回避、 Resistance=抵抗、Escape=脱走)となるための訓練を受けることに。
しかし、そこまで夢中にはなれず、寝坊して授業に遅れたり、課題の仕上がりが雑だったりで成績は散々。初めて褒められたのが柔術の授業でした。
同じ頃、オレゴン州兵になっていたアレクは、アフガニスタンに駐留。2人はスカイプで連絡を取り、ヨーロッパ旅行の計画を立てます。
スペンサーは大学生のアンソニーにも声をかけ、3人での旅行が実現することになりました。
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『15時17分、パリ行き』のラスト・結末(ネタバレ注意!)
以下、ネタバレ含みます。
スペンサーとアンソニーは、イタリア・ローマで合流。自撮り棒で撮影し、SNSへの投稿を楽しむアンソニーとともに、コロッセオやトレヴィの泉、スペイン広場などを観光する2人でした。
その後、2人はベネチアへと移動。その道中、スペンサーはアンソニーにこんなことを言いました。
「自分が大きな目的に向かって動かされていると思ったことはないか?」と。
その頃、アレクは、祖父の生まれ故郷であるドイツで、ガールフレンドと一緒に過ごしていました。
そんな3人はベルリンで合流し、オランダ・アムステルダムへ移動。人気のクラブで朝まで飲んで踊りまくった3人は、激しい二日酔いで目を覚まします。
アムステルダムが気に入った3人は、パリに行くかどうするか迷いますが、スペンサーの希望でパリに行くことに。
翌日。15時17分発、パリ行きの高速鉄道タリスに3人は乗車。
はじめは二等車両に乗り込みますが、Wi-Fiが使えないため、Wi-Fiがつながる一等車両へと移動します。
その頃、一等車両のトイレでは何やら異変が。トイレにこもって10分以上も出てこない男を不審に思ったアメリカ人の乗客が様子を見にいくと、自動小銃を持った上半身裸のテロリストが中から出てきたのです。
アメリカ人の乗客はテロリストから咄嗟に自動小銃を奪い取り、一等車両の乗客らに避難を呼びかけますが、テロリストはズボンのポケットから小型の拳銃を取り出して発砲。アメリカ人の乗客は首を撃たれてしまいます。
非常事態に気づいたスペンサーらは座席に身を隠し、状況を冷静に観察。
テロリストが自動小銃を拾い上げようとした瞬間、スペンサーは狭い通路を猛ダッシュしてテロリストに体当たりしました。
突進するスペンサーに向かってテロリストは銃口を向けますが、幸運なことに弾は発射されず、スペンサーはテロリストを抑え込むことに成功。しかし、テロリストが隠し持っていたナイフで、スペンサーは首と左手の親指を負傷してしまいます。
それでもひるむことなく、訓練で覚えた柔術でテロリストを制圧。
アレク、アンソニー、そしてイギリス人のビジネスマンによってテロリストは拘束されました。
スペンサーはすぐさま、首を撃たれたアメリカ人の応急処置を。訓練で覚えた止血法で傷口をふさぎ、必死に励まします。
そして高速鉄道は次の駅に停車。待機していた警官隊らによってテロリストは逮捕され、重傷を負ったアメリカ人の乗客とともにスペンサーも病院へと搬送されました。
勇気をもって人命を救ったアメリカ人3人、そしてイギリス人に対して、フランス政府は最高位の勲章を授与しました。授与のセレモニーには3人の家族らも招かれ、その表情はとても誇らしげでした。
地元に帰った3人を待っていたのは、町の人たちによる祝福パレードでした。実際の映像として、「サクラメントの英雄たち」と書かれた車に乗る3人の姿が映し出されます。
End
『15時17分、パリ行き』の感想・まとめ
ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しました。
実際の事件当事者を主演に抜擢するという大胆な試みの本作。87歳を迎えても新境地を切り開きつつあるクリント・イーストウッド監督ですが、その挑戦は見事に成功。
とても自然で等身大の彼らの演技に親しみを感じ、3人とともに時間を過ごしてきたような感覚に。それゆえ、彼らの英雄的活躍には心が震えました。
無差別列車テロが起こるまでの前半70分は、彼らの友情や挫折、ヨーロッパ旅行での様子がただただ映し出されるだけなので、想像を裏切られる内容にやや戸惑いを感じますが、
一見意味のなさそうだったエピソードが、終盤でカチッとハマる無駄のなさは「お見事!」の一言に尽きます。
人生、必ずしも自分の思うようにはいかないけれど、これまでに経験してきたことや出会った人たちからのメッセージが、ある瞬間に実を結ぶことがあるんだ、ということを3人の若者の人生を通じて体感することができました。
人生に無駄なことはなく、すべては必然なんだ、と。そういう点ではイーストウッド監督の『ヒアアフター』に近い作品かもしれません。
いつ、どこでテロに巻き込まれてもおかしくない現代社会。テロに直面したとき、自分には何ができるのか?そんなことを考えさせられる作品でした。