映画ネタバレ

映画『すれ違いのダイアリーズ』のあらすじ(ネタバレ・結末)と感想

タイ発の感動ラブストーリー映画『すれ違いのダイアリーズ』を紹介します。

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本作は2014年にタイで制作されタイ国内で高い評価を得ただけでなくイギリスやアメリカでも数々の映画賞を受賞しました。

タイ・アカデミー賞では6部門受賞、米アカデミー賞では外国語映画賞、英国イーストウィンド映画祭では観客賞など数をあげればきりがありません。

日本でも今年2016年5月14日に全国公開予定ですが、一体どんな映画なのか興味のある人も多いと思います。

今回は先んじてタイ発の感動ラブストーリー映画『すれ違いのダイアリーズ』のあらすじとストーリー、観た感想などをお伝えしていきます。
※注意:結末ラストについてもネタバレしますので映画を見ていない方はご注意ください。


あらすじ・ストーリー

登場人物
・ソーン:新米ダメ教師
・エーン:前任の女性教師
・ヌイ   :エーンの恋人

物語はタイのとある辺境の地”水上学校”へ青年ソーンが新任教師として赴任してきたことから始まる。

タイの大都市チェンマイに住む青年ソーンはレスリングしか取柄のない典型的なダメ男だった。

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ある時同棲している彼女になんでもいいから仕事をしろと叱られ、たまたま募集していた小学校教師に応募する。

だが教師未経験の彼にまともな教職などあるわけもない。

 

ソーンが採用されたのはチェンマイから遠く離れた辺境の地で川の上に浮かぶ”水上学校”だった。

未経験の自分を教師として雇ってくれた校長に感謝しつつ期待を胸に膨らませ水上学校へと向かう。

 

水上学校への道のりは遠く険しい。バスを乗り継ぎ途中から小型ボートで川を渡る。

ボートで到着すると学校とは名ばかりの単なる”ボートハウス”だった。

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電気やガスはなくトイレは川へそのまま落下させる”厠式”だ。

中に入ってみると学校らしく黒板と生徒たちが座る椅子が並べられている。

 

ふと黒板の上に目をやるとそこには前任教師のプライベート日記が残されていた。

日記には前任教師エーンの日々の活動内容や所感などが書かれていた。

 

ソーンは水上学校へ赴任してきたことを地元住民たちへ伝える。

すると続々と生徒たちが集まってきた。

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初めて教壇に立つソーンはひどく緊張していた。

彼の緊張をよそに生徒たちは好き勝手に振る舞い思うように授業が進まない。

ここから新米教師ソーンのドタバタ奮闘劇が始まるのだった。

 

授業中彼が少し目を離したスキに子供たちは勝手にボートに乗って川の中で遊んでいた。

慌てたソーンは子供たちをすぐに呼び戻し「溺れたらどうする!」と叱りつける。

だが子供たちは全員泳げるから心配無用と笑って返した。

 

生まれたときから漁師の元に生まれた彼らは川遊びなどお手の物だ。

彼らの反論に教師として対面を失ったと感じるソーン。

思わず激高し子供たちに体罰を与えてしまう。

 

子供たちは口々に「エーン先生は体罰などしなかった」とグチる。

生徒たちが帰ったあとソーンは1人悩んでいた。

子供好きな自分がまさか体罰を与えてしまうなど…。

 

それからというものソーンは教師として日々悩んでいた。

そんな折けがをした腕を医者に診てもらうためチェンマイへ戻る。

 

だが帰りに同棲している彼女の家にいくと他の男と…

彼女は水上学校へ赴任している間に新しい彼氏をつくっていたのだ。

激高したソーンは彼女と喧嘩して決別してしまう。

 

泣きべそをかきながら水上学校へ戻るソーン。

学校へ戻りふとエーンの日記を読み直していると、エーンも自分と同じように恋人と別れてしまったことを知る。

 

…一年前。

水上学校に赴任してきた女性教師エーン。

彼女はもともとチェンマイで小学校教師をしていた。

 

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だが腕に入れた小さなタトゥーを校長からとがめられ”水上学校”へ左遷させられてしまう。

同僚の女性教師ジージとともに水上学校へ赴任することになったエーン。

だが水上学校で日々子供たちとふれあう中、教師としての”喜び”を見出す。

 

彼女にとって水上学校での日々はかけがえのない”宝物”に変わっていた。

エーンは水上学校での出来事や日々の感想などを日記につづっていた。

 

教師として充実の毎日を過ごすエーン。

だが彼女は”水アレルギー”という疾患を発症してしまった。

水上学校で水泳を行ったことが原因だった。

 

エーンの恋人で都立学校の教頭でもあるヌイは地元へ戻ってくるよう強く訴える。

だがエーンはこれを拒否し2人は喧嘩別れしてしまう。

 

エーンとソーン、それぞれ事情は異なるが水上学校への赴任をきっかけとして恋人と別れることになってしまった。

 

ソーンは自分と同じような境遇となっていた彼女に強い共感をおぼえる。

そして恋人よりも水上学校への教師の道を選んだエーンを心から尊敬した。

 

失意のどん底にいたソーンは奮い立ち、改めて生徒たちと向き合うことを決意する。

それからはエーンと同じように生徒たち一緒に川で泳いだり無邪気にはしゃいだりして、徐々に生徒たちと距離を縮めていく。

 

途中、日記のなかで腐乱死体が学校へ流れ着いたことで同僚ギーギが恐れをなしチェンマイで戻ってしまったこと、そしてエーンが一人になってしまったことも知る。

だがエーンはめげることなく毎日生徒たちと向き合い奮闘していた。

そんな頑張り屋のエーンにますます尊敬の念をおぼえるソーン。

 

次第に顔も知らないエーンを”1人の女性”として意識するようになっていた。

 

…だが日記には書かれていなかったが実はエーンは恋人と別れてはいなかった。

喧嘩別れしたもののすぐに復縁し週末には2人で過ごしていたのだ。

そんなエーンの恋愛事情など知る由もないソーン。

 

互いに”独り者”と勝手に思い込みまだ見ぬエーンの顔を想像する。

あるとき生徒にエーンの似顔絵を描かせてみるがどれもひどい絵ばかり。

だが生徒たちの思いにあふれる絵をみてエーンが美しい女性であることだけはわかった。

 

生徒の絵を飾りエーンと恋人同士の妄想にふけるソーン。

だが突如激しい雷雨に見舞われる。

必死で生徒を守るソーンだが日記は川に流されてしまう。

 

エーンとの唯一の”絆”の日記を失いたくないソーンは翌日川底から日記を探しだす。

日記を天日干しして滲んだ文字を修復する。

そして日記を修復中ソーンはエーンが教師として”ある苦悩”を抱えていたことを知った。

 

エーンは学期末試験近づくなか生徒のひとりチョーンに数学を教えていた。

チョーンは決して頭は悪くないが漁師になるので数学は必要ないと答える。

そして翌日から学校へ来なくなったのだ。

 

エーンはチョーンの自宅へ赴くと漁師である父親がでてきた。

息子が学校へいってしまうと漁師の人手が足りないと父親はいう。

 

子供は学問を学び自由に職業を選択できる権利があるはずだとエーンはいう。

だがチョーンはそれを遮り自分は漁師になるからもう勉強は必要ないとエーンを追い返す。

 

エーンは学校へ戻り生徒たち一人ひとりに将来に何になりたいのかを問う。

すると生徒たちは口々に答える。

「自分たちは漁師になるしかない。」

 

エーンは失望した。

教師である自分は彼らの将来などは考える必要もないのか?

自分がここまで悩むことに意味はあるのか?

日記には教師として自信を失ってしまったことがつづられていた。

 

日記に登場するはじめての”挫折”だ。

 

日記をここまで読みソーンは決意する。

「自分がチョーンを再び学校へ戻す!」

ソーンはすぐにチョーンの自宅へ赴く。

 

すると父親が出てきて漁師の仕事が忙しいから息子を学校へは行かせないと断る。

ソーンはそんな父親に自分が代わりに漁師を手伝うと申し出る。

 

唖然とする父親を前にソーンは川へ飛び込んで、体力に自信があり泳ぎも得意であることをアピールする。

情熱に負けた父親は週末に漁師を手伝うことを条件に学校への復帰を了承した。

 

次の日から学校に戻るチョーン。

とても優秀な生徒だった。

教師として日々生徒と向き合い成長をするソーン。

 

…だが日記に書かれていなかったが、エーンはこの件をきっかけに水上学校を辞めていた。

そして恋人ヌイが教頭を務めるチェンマイ都立学校へ行ってしまったのだ。

 

ソーンは水上学校を管理する”校長”から呼び出しを受けていた。

ソーンが赴任してから生徒たちの成績が良くないこと。

成績が改善されなければ契約満了前にクビにすることを告げた。

 

校長からの厳しい指摘にうなだれるソーン。

ふと校長へエーンがなぜ水上学校を辞めたのかと聞く。

すると

「エーンは結婚するために学校を辞めた」

と告げる。

 

…愕然とするソーン。

当然だがすべては自分の一方的な”片思い”だったのだ。

2人は互いに顔も知らない。

 

それどころかエーンに至ってはソーンの存在すら知らないのだ。

彼が思いを寄せていることだって知る由もない。

ソーンはすべてが馬鹿らしくなり日記を燃やすのだった。

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ラスト・結末(ネタバレ注意)

日記を燃やすソーンだったが正気に戻り慌てて火を消す。

日記は少し焦げ付いてしまった。

 

翌日ソーンは思い切ってエーンが勤務するチェンマイの都立学校へ足を運んでみる。

ひとめでいいからエーンを見たかったのだ。

 

そんな衝動にかられたソーンだが、彼女の目印は手首の小さなタトゥーだけ。

途中で一度エーンと目が合うものの、エーンはタトゥーを消していたため気づかなかった。

ソーンはエーンを見つけられなかった。

 

一方、エーンは都立学校の校長と教育方針をめぐり対立していた。

エーンは水上学校と同じように自由に授業を行っていたが校長はそれをよしとしない。

 

教頭である恋人のヌイは立場上校長の肩を持たざるを得ない。

ヌイはエーンに学校方針に従ってほしいと諭すがエーンはこれに納得しない。

互いに教育方針の違いですれ違う2人。

 

そして事件は起きた。

妊娠した大きな腹をかかえた女性がエーンの教室へ訪れた。

何事かとはなしを聴くエーンだが突如表情が一変する。

なんと彼女は恋人ヌイによっては妊娠させられたのだった。

 

水上学校へ赴任中にヌイは女性と浮気をしていたのだ。

裏切られたショックで教室を後にするエーン。

ヌイが後を追いかけ釈明するがエーンは取り合わない。

ヌイに失望したエーンは彼と別れ学校を去ることにした。

 

彼女は再び水上学校を管理している”校長”の元へ訪れる。

もういちど水上学校で働きたい旨を告げた。

すると校長は今の教師をクビする予定なので是非来てほしいという。

 

エーンは再び水上学校へと赴任した。

 

久々に学校へ訪れると子供たちが笑顔で出迎えてくれた。

彼女も子供たちも互いに心から喜びあう。

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するとあのチャーンが学校へ復帰したことを知り驚くエーン。

 

どうやって父親を説得したのかと聞く。

チャーンはソーン先生が自分の代わりに漁師の仕事を手伝ってくれたので復帰できたと話した。

エーンは笑みを浮かべ前任者ソーンに心から感謝した。

 

再び子供たちと充実の日々を過ごすエーン。

だがヌイから毎日のように手紙を届く。

彼女はそれを無視していた。

 

エーンは黒板の上に自分の日記が置いてあるのを発見する。

なぜか日記は少し焦げていた。

日記を開いてみると前任者ソーンが勝手に日記を読んだようで、しかもエーンへ向けたメッセージを書き足している。

 

興味深くメッセージを読むエーン。

メッセージには…

失恋して落ち込んでいたがエーンの日記を読んで励まされたこと。

教師としての6か月間はかけがえのない毎日だったこと。

日記を読みエーンへ片思いしてしまったこと。

エーンが結婚で学校を辞めたことを知りショックを受けたこと。

そしてエーンが幸せな結婚生活を送れるよう祈り灯篭を流したこと。

がつづられていた。

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日記をよみ思わず笑みがこぼれるエーン。

さらに日記には日記を発見したことがソーンにとって幸運なことだったこと。

日記を通し教師として成長できたことへの感謝の気持ちなどがつづられていた。

またボートで”水上学校”をけん引させて生徒たちに列車を”疑似体験”させたことが面白おかしく書かれていた。

 

だが期末テストでチャーンだけが不合格だったこと。

ソーンは教師として再教育を受ける決心をしたことなどが書かれていた。

そしてソーンは再びエーンが学校へ復帰することを聞き、エーンに読んでもらえるようメッセージを残したことが最後に書かれていた。

 

日記を読み胸がいっぱいになるエーン。

エーンは校長にソーンが今何をしているかを聞く。

校長は彼とは連絡をとっていないと言いながらもソーンの履歴書を渡した。

エーンは履歴書に添付された写真で初めてソーンの顔を知る。

 

早速ソーンの住所へ訪ねてみるがそこはソーンの元彼女と彼氏が暮らした。

電話をかけてみるがつながらない。

 

学校へ戻ったエーンはソーンが日記に残したメッセージを読み直していた。

いつしかソーンと楽しく語り合う妄想にふけるエーン。

 

エーンはいつしかソーンへ恋をしていた。

だがお互いに好意を抱いているのに運悪くすれ違ってしまう2人。

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毎日片時もソーンの顔写真を離さないエーン。

ソーンもエーンのタトゥーの写真を片時も離さない。

 

だが2人の思いは互いに届かない。

2人は日記を通した「すれ違いの恋」に陥っていたのだ。

 

そんなある日、学校へ元恋人のヌイがやってきた。

ヌイは謝罪しもう一度やり直そうと懇願する。

エーンは大量に届いていたヌイの手紙をすべて読んだ。

 

ソーンへのほのかな恋心を封印し、もう一度ヌイを信じてみることに決める。

 

学期末テストは終わり生徒全員が水上学校を卒業となった。

一人ひとりに卒業証書を手渡すエーン。

そこには前回卒業テストに落ちたチャーンもいた。

 

エーンの水上学校での任期契約はこれで終了となる。

後任はあのソーンが来るとのことだった。

 

エーンは自分の思いをソーンに読んでもらえるよう日記にメッセージを書き足して机の上に置いていた。

 

生徒たちから惜しまれつつエーンは水上学校を後にする。

恋人のヌイとともに…。

 

帰りの道中ヌイが忘れ物だと日記をエーンに手渡す。

読まれることのないメッセージを残念そうに見つめるエーン。

 

ふとエーンはソーンという教師がいたことをヌイに話す。

エーンはこの教師をどう思うかとヌイへ問う。

 

ヌイは彼(ソーン)は情熱だけはあると思うが教師としては評価できない。

彼がもっと真剣に取り組んでいれば子供たちの成績も上がったはずだ。

と教師としての資質をバッサリ切り捨てる。

 

エーンはこれを聞きヌイとは生涯相容れることはできないとはっきりと悟った。

そしてヌイと完全に決別して水上学校へと引き返した。

 

水上学校へ戻ると辺りはすっかり暗くなっていた。

生徒はもういない。

 

なかに入ると一人の男性が発電機を操作していた。

ソーンだった。

 

エーンはそっと背後に忍び寄り日記を彼の目の前に差し出す。

びっくりして振り返るソーン。

 

だがすぐにエーンだと気づく。

初めてエーンの顔を知ったソーン。

 

2人はしばらく無言で見つめあう。

 

そして挨拶を交わした。

「はじめましてエーン先生」

「はじめましてソーン先生」

 

2人は笑顔で”再会”を喜びあうのだった。

End

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感想とまとめ

この映画を見た感想ですが正直とても感動しました。

当初はタイ発の映画と聞いていたので一体どんな映画なのかと思っていました。

タイ映画ってあまり良質なイメージ(すみません)がなかったもので…。

思いのほか映像と音楽すばらしく全体的に爽やかな映画です。

 

タレントの売り込みに利用しているような最近の邦画よりも100倍よかったです。

 

新米教師演じるソーン役の「スクリット・ウィセートケーオ」ですが、この人はイケメン系の俳優さんなのでしょうか?

映画では気取らないキャラを演じていてとても親しみが沸きました。

最初はダメ男として登場するのですが、成長してだんだんとたくましく見えてきます。

 

そしてヒロインのエーン役「チャーマーン・ブンヤサック」ですが、この人もとても美しい方ですね。

 

最初は同僚ジージと見分けがつかなかったのですが、だんだん見分けがつくようになります(笑)

あと映画を見ていたふと思ったのですが、タイの女優さんは面長の方が多いのでしょうか?

日本女優さんがどちらかというと丸顔で可愛らしい人が多いのに対し、タイの女優さんはいかにも女性らしい方が多い気がしました。

 

映画はすべてタイ語でしゃべるのですが、聞きなれていないためか最初はちょっと当たりがきつく聞こえしまいました。

 

映画はほんとうに爽やかで映像もBGMもとても美しい。

アジア映画特有の”泥臭さ”はほとんど感じません。

 

ストーリーは正直さきが読めてしまう内容ですが、それでも俳優さんたちの演技が素晴らしいので必見ものですね。

 

 

ラストと結末に関しては、最近の邦画にありがちな『その後』を書きすぎてダレてしまうパターンとは一線を画し、最後2人がどんな2人がどうなるかは観客の想像にお任せする余韻を残したラストなっています。

 

なんど見ても飽きないすばらしい映画です。

 

管理人のおすすめ度は

★★★★★(5.0)

ですね。

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