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映画『ウインド・リバー』あらすじ・ネタバレ(ラスト結末)と感想!

映画『ウインド・リバー』のネタバレです!

心に傷を抱える地元のハンターと女性FBI捜査官が、ネイティブアメリカンの保留地で起きた事件の真相にせまるサスペンス映画『ウインド・リバー』

主演は『ハート・ロッカー』や『メッセージ』などのジェレミー・レナー。その相手役にエリザベス・オルセン。ともに『アベンジャーズ』シリーズでホークアイとスカーレット・ウィッチを演じており、そんな2人の共演も見どころとなっています。

この土地ではなぜ少女ばかりが殺されるのか? 時代に取り残された先住民保留地の悲惨な現状がリアルに描かれた作品です。

今回はそんな映画『ウインド・リバー』の詳しいあらすじやネタバレについて触れていきたいと思います。

※注意:結末ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。

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『ウインド・リバー』のあらすじ

では、まずあらすじから。

アメリカ中西部のワイオミング州にある「ウインド・リバー」。そこはネイティブアメリカンの保留地で、深い雪に覆われた山岳地帯でした。

野生生物局の凄腕ハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は仕事中にネイティブアメリカンの少女の遺体を発見します。

よく見ると、その少女は娘の親友ナタリーで、血を吐いた状態で凍りついていました。

コリーはすぐに部族警察長のベンに通報。FBIが到着するのを待ちますが、天候が悪化するなか現れたのは、新米女性捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)でした。

殺人事件の捜査経験も少なく、極寒の地での捜査経験もない新人を現場によこしたFBIに不満の色を隠せない2人でしたが、ひとまず遺体発見現場まで案内。現場に到着すると、いくつもの疑問点が浮かび上がってきました。

・5キロ圏内に民家はないのに、ナタリーはどこから走ってきたのか?
・肺が凍って破裂するほどの冷気を吸い込みながら、なぜ走らなければいけなかったのか?
・なぜ薄着かつ裸足だったのか?

監察医の検死の結果、ナタリーには執拗に暴行された痕が。彼女は犯人から逃げている途中に息絶えてしまったのです。

ところが直接的な死因が冷気を吸い込んだことによる肺出血であるため、他殺として捜査することができず、FBIの専門チームを呼ぶことができなくなってしまいます。

自分ひとりで捜査しなくてはいけなくなってしまったジェーンは、ウインド・リバーの地理や事情に精通したコリーに協力をお願いしました。

さっそくジェーンとコリーは、ナタリーが暮らしていた家へと向かいます。父親のマーティンは、事件の当日、娘は恋人に会いに行っていたと証言。

娘を亡くして憔悴しきっているマーティンに、「必ず復讐するから」とコリーは固く誓いました。

捜査を続ける2人は、森の奥で白人男性の遺体を発見。その男性は、近くの石油掘削所で警備員をしているマットという男で、ナタリーの恋人でした。

その夜、コリーはジェーンを自宅に招き、3年前に起きた娘エミリーの死について語りはじめました。エミリーもナタリーと同様に自宅から遠く離れた場所で死んでいたのです。

事件の真相は解明しておらず、それが原因でネイティブアメリカンの妻とは離婚。息子とも離れ離れに。

コリーは今でも娘を守れなかった罪悪感を引きずっており、彼がなぜ今回の捜査に協力的なのか、ジェーンは理解できました…。

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『ウインド・リバー』のラスト・結末(ネタバレ注意!)

以下、ネタバレ含みます。

翌日、コリーとジェーンは別々に行動。コリーはスノーモービルで山の中へ。いっぽうジェーンは、部族警察長のベンが応援要請した保安官4人とともに、マットの同僚たちが共同生活している山奥のトレーラーハウスへと向かいます。

トレーラーハウスの前には、マットの同僚と思しき石油採掘所の警備員が数名。マットの死について尋ねたところ、事件関係者しか知り得ない非公開情報を口にしたため、両者の間に緊張が。互いに銃を向けあう一触即発状態となりますが、FBI捜査官であるジェーンがこの状況を収めます。

そして、トレーラーハウスのドアを叩きました。すると、ドアが開くと同時に銃声が。銃弾をもろに受けたジェーンに地面へと倒れこみ、その後、両者は激しい銃撃戦となります。保安官たちが次々と撃たれいく中、ピンチを救ったのはコリーでした。

ジェーンは防弾チョキを着ていたため、一命をとりとめます。

銃撃戦において1人だけ生き残った警備員の男が。コリーは逃走するその男を捕まえスノーモービルに乗せると、雪山の山頂まで連れて行き、殺さないと約束したうえで事件の真相を自白させました…。

事件の夜、トレーラーハウスではこんなことが起きていたのです。

ナタリーは恋人のマットに会うためトレーラーハウスへ。2人は車内で幸せな時間を過ごしていましたが、そこへ警備員仲間が帰ってきてしまいます。

娯楽もなく女性もいないこの土地での暮らしに鬱憤が溜まっていた彼らは、2人の幸せそうな光景に激しく嫉妬。喧嘩が始まり、ナタリーは投げ飛ばされたはずみで気を失ってしまいます。いっぽうマットは仲間全員から暴行を受けて瀕死の状態に。

ナタリーが目を覚ますと、男たちからレイプされた後でした。ナタリーは自分の身を守ろうとして裸足のままトレーラーハウスを飛び出し、マイナス30度の雪原を走って逃げたのです…。

事件の真相を聞いたコリーは、約束を守って男を解放しました。しかし、雪山の山頂は気温が氷点下。防寒具を脱がされ裸足にされた男は、肺が凍って破裂するほどの冷気を吸い込みながら走ったため、ナタリーと同じように血を吐きながら死んでしまいます。

コリーはマーティンのもとを訪ね、犯人に復讐したことを報告。娘を亡くした父親同士、ともに悲しみを分かち合いました…。

「数ある失踪者の統計にネイティブアメリカンの女性のデータは存在しない。実際の失踪者の人数は不明である」というテロップが表示されて映画は終了します。

End

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『ウインド・リバー』の感想

ネタバレを含みつつ、あらすじなどについてご紹介しましたが、オープニングからクライマックスまで緊張感が一切途切れることなく、ラストで描かれている制裁の下し方にもグッとくる作品でした。

それでいて、スクリーンに映し出される極寒の雪景色からは、まるで本当の冷気が伝わってくるようで、体感温度も2度くらい下がる作品でした(笑)。

作品の構造としては、悲しい過去を持つ凄腕のハンターと頼りない女性新人捜査官といった対照的なコンビによるバディムービーですが、捜査を通じて2人が心を通わせていき、事件の真相に辿り着いていく過程がとても丁寧に描かれていて、見事な脚本だなと思いました。

ウインド・リバーのことを知らない我々観客は、女性捜査官の目を通してこの土地が抱える厳しい現実を知ることになるわけですが、徐々に明かされていく真相にも衝撃を受けました。

あらすじの「ラスト・結末」では、話が混乱しないように映像の順番を変えて書いていますが(ご了承ください)、ジェーンがトレーラーハウスのドアを叩き、そのドアが開いた瞬間に、事件当夜の映像へと切り替わる見せ方にも引き込まれました。

緻密に計算された脚本ゆえのカタルシスは作品のいたるところにみられ、観た人の心に深く残る作品になっていると思います。

迫力あるアクションシーンや銃撃シーンも見応えがありますので、ぜひご覧になってください。