映画『ちょっと今から仕事やめてくる』のネタバレです!
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ブラック企業、長時間労働、パワハラ…など現代の社会問題をテーマにした感動作『ちょっと今から仕事やめてくる』
原作小説は70万部突破のベストセラーでそれだけ多くの共感を呼んだ作品の映画化です。
主演は福士蒼汰と工藤阿須加。
ブラック企業で働いている人はもちろん、子供をもつ親や希望を見失っている人など多くの人に観てもらいたい作品です。
ちょっとだけホラー要素を感じるような内容となっている本作。
今回はそんな映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の詳しいあらすじやネタバレについて
触れていきたいと思います。
※注意:結末最後・ラストまでネタバレしていますので映画を見ていない方はご注意ください。
あらすじ・ストーリー
では、まずあらすじから。
(冒頭、満点の星空を見上げる青年と子供の会話で始まります。
「生きることは希望を持つことなんだよ。希望はなくならない。 見えなくなっているだけなんだ…」)
”月曜日は憂鬱〜火曜日、水曜日と日が進むにつれ、次第に気持ちは落ち着くが週末が終わる頃にはまた繰り返される〜♪”
出勤の支度をする青山隆(工藤阿須加)はテレビから流れてきた曲の歌詞が自分自身と重なって憂鬱な気分に。
一人暮らしの隆の部屋はゴミ屋敷状態で、実家の母親が送ってくれた野菜や果物はすっかり腐って虫がわいていました。
隆の仕事は中堅印刷会社の営業職。
就活に失敗し、内定がもらえたのがこの会社だけだったため就職しましたが、いわゆる「ブラック企業」でした。
会社では毎朝、体操と社訓の唱和が。
・遅刻は10分で1000円の罰金。
・有給なんていらない。体がなまるから。
・上司の指示は神の指示。
・心なんか捨てろ。折れる心がなければ耐えられる…
社員たちは皆、死んだ目をしながら部長(吉田鋼太郎)の言動にビクビクしています。
この日は営業の先輩社員の五十嵐美紀(黒木華)がノルマ達成で金一封をもらいますが、それに引きかえ、営業成績の悪い隆は部長から「タコ」と怒鳴られ、書類で頭を叩かれる有り様。
月の残業時間は150時間を超え、当然ながら残業代もありません。
この日も残業を命じられ、会社に残って資料作りに追われます。
そこへ実家の母親から電話が。
心身ともに疲弊しきっている隆には母親を気づかう余裕すらありませんでした。
やっとの思いで残業を終わらせた帰り道、駅のホームで電車を待っていると携帯電話に部長からの着信が鳴り響きます。
おもわず体が固まり、思わず着信を拒否。
すると再び部長から電話が。
もう限界だ…
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体が鉛のように重たくなり、自由になりたい、休みたい…そう言いながら体が自然と線路の方へ。
その瞬間、見知らぬ青年が隆の体をホームに引き戻しました。
「久しぶりやなぁ。俺や、山本や。小学校以来ちゃう?」
「山本」と名乗る関西弁の青年(福士蒼汰)
しかし、隆は誰だか思い出せません。
山本に誘われるまま隆は居酒屋へ。
居酒屋のトイレで同級生に電話で確認すると、たしかに「山本」という同級生はいたらしい。
最初は仕方なく話を合わせていた隆でしたが、陽気な山本のペースで会話は進み、隆の顔にも久しぶりに笑顔が。
2人は電話番号を交換して別れます。
週末、隆の住むマンションに現れた山本。
スーパーのカートに乗って坂道を滑ったり、自分では選ばないネクタイを選んでもらったり、山本と一緒に過ごすことで隆は元来の明るさを取り戻していきます。
山本と知り合ってから印象が明るくなっていった隆は、先輩の五十嵐からも雰囲気が変わったねと一目置かれるようになります。
少しだけ自信を持つことができた隆は半年通いつめた企業から新規の契約を受注。
その晩、隆は山本と祝杯を挙げました。
しかし、その時、同級生からの連絡で同級生の「山本」は海外にいることが判明。
目の前にいる山本はいったい何者?
本人に問いただすと
「最初は勘違いで声をかけたけど仲良くなったんやからええやん?」
という答えが…。
実は彼の名前は「山本純」
免許証にもそう書かれていました。
気を取り直して改めて乾杯する2人でした。
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◯ラスト・結末(ネタバレ注意!)
以下、ネタバレ含みます。
その直後、事件が起こります。
先日契約がとれた取引先からクレームが発生。
隆の発注ミスが原因でした。
慌てて謝罪に向かったものの、隆はその仕事から外され、先輩の五十嵐が後を引き継ぐことに。
部長からは物凄い罵声を浴びせられ、全社員の前で土下座と謝罪を強要。
隆にとって職場はふたたび地獄に…。
家に帰っても一睡もできず、精神状態は限界を迎えようとしていました。
「ちょっと、あんまりちゃうか? 隆」
電話やメールにレスがない隆を心配した山本が、会社帰りの隆をつかまえ強引にレストランへ。
暗い表情で辛そうにしている隆に「何があってん?」と問いただす山本。
隆が仕事のミスについて話すと、誰かが発注書のデータを書き換えたのでは?と違う視点から問いかけ、さらに、転職したらどうか?と提案。
しかし、隆は「このご時世、正社員でいることは貴重だ。辞めても自分を採用してくれる会社はない。仕事を辞めるのは簡単じゃない」と。
すると山本は「隆にとって、会社辞めることと生きるのをやめることはどっちのほうが簡単なわけ?」と切り返し、駅のホームで出会った日のことを話しはじめました。
「最初に会った日も俺が腕を引っ張らんかったらホームに落ちて事故になっていた。実は改札で隆を見かけた時、心配になって後をつけたんだ。あの日のお前と同じ表情してたやつ 知ってたから…」
あの日、思いつめた表情の自分を心配して、見ず知らずの相手に声をかけてくれてたのです。
山本のおかげで隆の精神状態も安定モードに。
しかし、隆はすでに会社や人生に希望を見いだせず、平穏に1週間をやり過ごせればいいやと諦めの境地になってました。
隆は自社工場からの帰り道、暗い表情で霊園行きの送迎バスに乗り込む山本の姿を見かけます。
帰宅後、そのことが気になって「山本純」でネット検索してみる隆。
「今日は、山本純くんの命日でした」
というブログの記事とともに山本の写真が…。
ブラック企業に勤めていた山本純は3年前に過労自殺していたのです。
自分が会っている山本は…幽霊??
頭の中が混乱する隆でした。
会社に出社した隆は先輩の五十嵐にお詫びの気持ちを込めて引き継ぎ資料を渡します。
ところが、五十嵐からは「こんなのが役に立つか」と激しく叱責され、さらに部長からも呼ばれ、五十嵐に感謝をするどころか文句を言って困らせるとは何事だ!と激しく罵倒されてしまいます。
五十嵐に迷惑をかけてしまったことを謝罪する隆でしたが、五十嵐からは「消えろ、バカ」と言われ、絶望のどん底に…
自分はもう死ぬしかないんだ。
土曜日の朝、誰もいない会社に出社した隆は屋上の縁に立ち、地面を眺めていました。
すると背後から「気持ちよさそうやな」と山本の声が。
「ごめんな。いろいろ相談乗ってくれたのに。天国でまた会えるんだろ? 山本純は3年前に亡くなっている…」
隆は山本にそう告げました。
「知ってたんか。お前もしかして、俺のこと幽霊やと思ってる?」
と言って笑う山本。
気づけば山本は隆のすぐそばまで来ていました。
「冷たいかどうか触ってみ。温かいやろ?」
山本の目にも、隆の目にも涙が。
山本は青空を見上げながら
「なあ、隆。お前は今、自分のことばかり考えてるけど、残された者の気持ちを考えたことあるか?なんで助けてあげられなかったって、一生後悔しながら生きていく人間の気持ち、考えたことあるか?人生は誰のためにあると思う?半分は自分のため、そして半分はお前を大切に思ってくれる人のためだ…。」
隆の頭の中には両親の顔が浮かんでいました。
両親が悲しむなんて考えてもみなかった…
「山本、お前いったい何者?」
隆の質問に「内緒!」と言って、山本は屋上から去っていきました。
翌日、隆は久しぶりに山梨の実家に帰省。
これまで両親に投げていた心ない言葉を詫び、退職しようと思っていることを切り出すと、「別にいいんじゃない?会社はひとつじゃないんだから。大丈夫。人生なんて案外なんとでもなる。」
「若いうちにたくさん失敗しろ」
と2人から優しい言葉が。
隆の決心は固まりました。
東京に戻った隆は会社近くの喫茶店に山本を呼び出し、「呼び出しておいて悪いんだけどここで待っててくれる?ちょっと今から仕事やめてくる」
と言って会社に向かいました。
始業時刻をすでに15分過ぎており、部長からは「罰金2000円!」と怒号が。
しかし、今日の隆は動じません。
「今日で仕事を辞めます!」
部長は一瞬驚いたものの就業規則に反すると言って無視。
それでも隆は一歩も引きません。
部長が「懲戒解雇になるぞ」と脅すと「それでも構いません。辞めます。」とひるみません。
部長の怒りは頂点に達し「お前みたいなヤツは一生負け犬だ。社会じゃ通用しないんだよ!」
と机やロッカーを叩きながら、同僚全員の前で隆を怒鳴りつけます。
「部長、今幸せですか?幸せだったら毎日怒鳴りませんよね?部長も少し休まれたらどうですか?これからは自分の人生を生きていきます。今までお世話になりました!」
そう言って同僚たちに頭を下げる隆。
その表情は晴れ晴れとしていました。
オフィスを出た隆は先輩の五十嵐に呼び止められます。
そして、五十嵐からは謝罪の言葉が。
過去の発注ミスは彼女の仕業だったのです。
そんな五十嵐にもいたわりの言葉をかけ、隆は山本が待つ喫茶店へ嬉しそうに向かいます。
しかし、喫茶店に山本はいませんでした。
会社を辞めて無職になった隆。
まずは溜まったゴミを捨て、部屋を掃除。
そして実家から届いた野菜で自炊生活。
今後についてじっくり考えてから、再就職に臨むつもりでしたが、あの日以来、連絡がとれなくなった山本のことが気になっていました。
以前見つけブログの管理人にメールを送り、大阪にある孤児院の住所を教えてもらいます。
大阪まで出向いた隆はそこの院長の娘である大場玲子(小池栄子)から山本のことを聞かされます。
山本は双子で、亡くなった「純」の他に「優」という兄弟がいました。
5才の時に両親を亡くし、この孤児院にやってきた純と優。
内向的だった優は純以外の誰ともしゃべらない子供でしたが、純が見せてくれた写真集の中の孤児たちの笑顔を見て、優は笑えるようになったとのこと。
大事なことを教えてくれたその写真集の撮影場所であるバヌアツ共和国の孤児院で働くことを将来の目標にした2人。
純は医者をめざし、優は教師をめざして大学受験をします。
しかし、大学に合格できたのは優だけでした。
孤児院には18歳までしか居られず、純は就職しながら医大を目指すことになります。
しかし、就職先がブラック企業だったため、受験勉強の時間がとれず、翌年も受験に失敗。
就職して2年目の20才の時、自殺してしまいます。
優は一足先にバヌアツに行って、純を待ちながら教師になると決めていましたが、純の自殺により渡航を延期していたのです。
しかし半月ほど前、バヌアツに行くことにしたと、優が玲子に報告に来たそうで、純が亡くなってから初めて出来た友人のお陰でちゃんと生きていく決心がついたと嬉しそうに話してくれたとのこと。
そして、隆が訪ねてきたら「ありがとう」と伝えてほしいと伝言を残していました。
玲子は優から封筒も預かっていました。
その中にはバヌアツの子供たちの笑顔の写真が。
そして、写真の裏に手書きのメッセージで「俺の天使たち。この子達と一緒に笑ってみないか」と。隆は迷わずバヌアツへ。
バヌアツの青空の下、優は現地の子供たちに算数を教えています。
そこへ隆が現れ、握手で再会。
優は子供たちに隆を紹介します。
しかし、言葉がカタコトな隆に対し「しばらくは言葉の特訓やな!」と笑って「最初の仕事は鬼ごっこだ!」と子供たちとビーチで遊ばせました。
無邪気に駆けまわる隆を見て、「人生ってそれほど悪いもんでもないな」と優は青空を見上げながら純に話しかけました。
(ラスト、満点の星空を見上げる優と子供の会話が「生きることは希望を持つことなんだよ。希望はなくならない。見えなくなっているだけなんだ…」)
End
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感想・まとめ
ネタバレを含みつつあらすじなどについてご紹介しましたが、ブラック企業、長時間労働、パワハラ…タイムリーな話題を詰め込んだ作品でしたが、今年に入ってから観た映画でもしかすると一番泣いた作品かもしれません。
誰もが自分のことで精一杯なこの時代、他人を思いやる余裕が心に残っているだろうか?そもそも自分自身を大事にしているだろうか?
山本の視点、隆の視点、隆の両親の視点…多角的に自分と向き合える構成で作られており、気づかされることが沢山ありました。
福士蒼汰、工藤阿須加の主演2人が好演。
パワハラ上司の吉田鋼太郎の怪演も見事で、ブラック企業の恐ろしさが伝わってきました。
素晴らしいシーンも沢山ありましたが、ドローンで撮影されたエンドロールのバヌアツの大自然は今でも脳裏から離れません。
マングローブが群生する川を下っていき、大海原へと一気に広がるシーンで2羽の海鳥が空高く飛んでいく姿はこの作品が伝えたかったメッセージを見事に表現していて感銘を受けました。
ちなみに自分が観た回はエンドロールで席を離れる人は一人もおらず、最後まで全員座っていましたね。
働く勇気、生きる勇気をもらえる映画です。
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